横浜DeNAが逆転負けで12連敗、キヨシ監督は「モスコーソが誤算」
横浜DeNAが20日、横浜スタジアムで行われた広島戦で、4-8と逆転負けを喫して、引き分けを挟んだ連敗を「12」に伸ばした。借金は「3」。連敗脱出どころか、大洋時代の1955年と横浜時代の2008年に記録した球団ワーストの14連敗さえ見えてきてしまった。
「ガールズフェスティバル」と銘打たれたイベントデイ。 横浜DeNAは、この土日に女性限定のファンサービスを行い、パステルカラーの特別ユニホームを特別チケット購入の女性限定で配り、NHK連ドラの出演者、清水富美加さんの始球式や、特設ブースでのヘアデザインのサービスなど各種イベントで盛り上げた。スタンドは満員。カープ女子に負けぬ、ベイスターズ女子が集まった。通常、30パーセント弱の女性比率が50パーセントを超えたという。だが、その女子にいいところを見せることができなかった。試合の方は、逆転で不名誉な連敗記録を伸ばしてしまうことになった。 いつもユニークな中畑監督のコメントも、もう悲壮感がいっぱい。 「なかなか、いい形で最後まで迎えることのできないゲーム展開だった。今をしっかりと受けとめて、明日に向かっていくしかない。ファン方にも申し訳ない。モスコーソ?きょうは、そこが一番の誤算ですけどね」と、枯れた声で短く切り上げた。 「4番・筒香」の流し打ちで先手を取った。前日のゲームでは平凡なレフトフライを見失う痛恨のボーンヘッド。若き主将は、一回二死二塁のチャンスに三遊間を破る先制タイムリーで雪辱を果たす。だが、先発の山口がピリっとせず、2回にはピッチャーのジョンソンに同点タイムリーを許し、丸に勝ち越しのツーベースを打たれた。3回にも追加点を許し、1-3とされたが、戦闘意欲は失っていなかった。その裏、1点を返して、ロペスが逆転2ラン。 「打ったのは、インサイドのストレート。シーズンを通じて、満員のファンには、いつもプレーしやすい環境を作ってもらっている。しっかりと勝って満足してもらいたい」 ナインの気持ちをロペスが代弁したが、4回に山口が、丸に同点アーチを浴びる。先発の役割を果たせぬままマウンドを降りた山口は、「追い込んでからの決め球が甘かった。追いついてもらっているのに失点した。勝敗がすべて。試合を作れなかったのは非常に申し訳ない」と唇をかんだ。 4-4で迎えた7回。横浜DeNAは、後半戦から、中継ぎ強化のため配置転換したモスコーソを投入。だが、そのモスコーソが誤算だった。新井に中前打を浴び、代走・赤松に二塁を奪われたところで、エルドレッドにカウント3-1から勝ち越し2ランを右中間へ運ばれてしまった。さらに田中、石原、丸に打たれて7点目8点目を許してしまう。モスコーソは勝負どころでボールが浮いた。トンネル脱出のための新方程式は機能せず、打つ手、打つ手が裏目だ。結局、広島にジョンソンから大瀬良、中崎とつながれて、5回以降は、ヒットがなく打線は反撃の芽をつまれた。 トンネルの出口は見えてこないが、決して悲観論ばかりではない。 解説活動も行っている楽天シニアアドバイザーの星野仙一氏は、「貯金があったので、多少、安心感と油断があったのだろう。パのチームに研究され、交流戦では上から目線で飲みこまれていた。だが、リーグ戦に戻ったことは、立ち直るチャンス。筒香も、戻ってきている。石川、梶谷に両外国人を軸にするという貯金を重ねてきたときの打線の顔ぶれは変わらないのだから、ジタバタせずに、勢いのあったときのチームの長所をもう一度、見直していけばトンネルは越えることができるよ」と、エールを送っていた。 明日21日、連敗ストップを託す先発は、ベテランの三浦だ。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)