【EU】英独、新たな防衛協定を締結 ミサイルなど新兵器を共同開発
英国とドイツは23日、2国間の防衛協力を強化する「トリニティ―・ハウス協定」に調印した。無人機(ドローン)や長距離ミサイルなどの新兵器の共同開発に取り組むほか、ドイツ空軍の英スコットランド駐留を可能にする内容。防衛機器や自動車部品を手がけるドイツのラインメタルは、協定に基づき英国に新工場を開設する。 両国は、英国製の空中発射型巡航ミサイル「ストームシャドー」よりもさらに射程距離が長く精度が高い新長距離ミサイルシステムや装甲車、ドローンを共同開発する。また、ドイツがウクライナに供与した英国製の軍用ヘリコプター「シー・キング」にミサイル・システムを装備する。 ラインメタルは、英国に大砲の砲身の製造施設を新設し、2027年の出荷開始を目指す。これにより、英国内で400人の雇用を創出するという。 協定ではこのほか、北大西洋の防衛に向けドイツ空軍機がスコットランドに駐留することを可能とする。 英国のヒーリー国防相は、英独間の防衛協力はこれまでケースバイケースで行われてきたが、この協定により初の「本格的な」防衛協力が実現したと指摘。欧州の同盟諸国は、安全保障に寄り大きな責任を果たす必要があると話した。またドイツのピストリウス国防相は、11月の大統領選挙の結果に関わらず、欧州は防衛努力を強化する必要があるとの考えを示した。 両相によると、英国とドイツは25年初めにも経済・貿易面も含めたより広範な二国間協定を締結する見通し。英国のスターマー首相はブレグジットで冷え込んでいた欧州連合(EU)加盟各国との関係改善を目指しており、フランスとも防衛・安全保障協力を強化することで合意している。ピストリウス氏によると、フランスも今回の英独間の新協定を支持している。