韓国総選挙、尹大統領の与党大敗-任期3年残し厳しい政権運営に
(ブルームバーグ): 10日の韓国総選挙で、5月に就任2年となる尹錫悦大統領の与党陣営が大敗を喫した。任期を3年余り残す尹大統領は投資家を優遇する政策などを掲げているが、厳しい政権運営を迫られることになる。
今回の選挙では一院制国会の全300議員が新たに選ばれた。与党「国民の力」の保守陣営は105議席程度の確保にとどまる見通し。改選前は119議席だった。
「共に民主党」が主導する野党陣営は過半数を維持しただけでなく、約172議席に勢力を伸ばす見込み。選挙管理委員会が11日朝、開票率95%超の集計状況を明らかにした。
民主党との連携を図る新党「祖国革新党」は、10議席前後を得たもよう。
選管によれば、投票率は32年ぶりの高水準となる67%と推計されている。300議席のうち小選挙区が254議席、残りは比例代表となっている。国会議員の任期は4年。
野党陣営が200議席に達すれば、大統領の拒否権を退け弾劾措置を承認することが可能。尹政権を事実上妨害し、場合によっては尹大統領を退陣に追い込むこともできる。
選挙前の世論調査によると、有権者にとっての最大の課題はインフレや住宅価格の抑制、減速しつつある国内経済の強化だった。医学部の定員増計画に不満を抱く研修医たちの長期にわたるストライキも選挙戦に影を落としており、国民は医師増員に賛成しているものの、労働争議にはうんざりしていることが示されていた。
原題:South Korea’s President Set For Big Loss in Parliament Vote (1)、South Korea’s President Suffers Big Loss in Parliament Vote (5)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Soo-Hyang Choi