降ろした斎藤元知事を支援する議員も…独自候補見送った自民、議員の支持は3候補に分裂
兵庫県の斎藤元彦前知事(47)の失職に伴う知事選は、17日の投開票に向けて終盤戦に突入する。ほとんどの候補者が政党色を前面に出さない中、政党側からの支援表明などで構図が明らかになってきた。3年前の前回選で斎藤氏を推薦した自民党は独自候補を擁立できず、3候補の支援で分裂。他党は地元組織の幹部らが支援先を明言し、議員が候補者の活動に同行するなど、選挙戦は激しさを増している。 【写真】兵庫県知事選に立候補した7人 自民県連は告示翌日の1日、自主投票を決定。告発文書問題への対応を巡り、県議会から不信任決議を受けた斎藤氏の支援を禁じる案も取り沙汰されたが、見送った。 県内の地方議員の支援先は割れている。県連の決定に先立つ先月29日には、兵庫県明石市議会の会派「自民党明石」の幹部が、斎藤氏支援の禁止案を批判。ほかの自治体の議員の中にも斎藤氏を支援する動きはある。 一方、神戸市議会最大会派の自民神戸市議団は今月2日、維新を離党した前参院議員の清水貴之氏(50)を支援する方針を発表。会見した市議は、維新との距離感に懸念を示しつつ、「現状で自民党の支持者にお示しできる最良最善の候補だ」と支援の理由を述べた。 自民県議団の一部では、元同県尼崎市長の稲村和美氏(52)を推す動きも強い。先月28日には稲村氏と面会し、31日の告示日には、県議や国会議員らが稲村氏と並んで立つなどした。街頭活動などに同行する県議もおり、支持を訴えている。 自民とともに前回選で斎藤氏を推薦した維新は、県組織「兵庫維新の会」が同月29日、清水氏の支援を決定。党議拘束は見送ったが、兵庫維新の片山大介代表は「元々われわれの仲間という形で応援する。基本的には(清水氏で)一枚岩になった」と説明した。 立憲民主党と国民民主党は、特定候補の支援か自主投票かといった機関決定はしないが、いずれも県組織の幹部が稲村氏支援を明言。公明党は自民の方針を受け、自主投票を決定。共産党は医師の大沢芳清氏(61)を推薦している。 知事選にはほかに、レコード会社社長の福本繁幸氏(58)▽政治団体代表の立花孝志氏(57)▽ニュース分析会社社長の木島洋嗣氏(49)―の3新人(いずれも無所属)が立候補している。