死刑判決の比女性、15年ぶり帰国 インドネシアから移送
【マニラ、ジャカルタ時事】インドネシアに麻薬を持ち込もうとしたとして死刑判決を受けたフィリピン人女性(39)が18日、逮捕から約15年ぶりに帰国した。 インドネシアで10月にプラボウォ政権が発足後、比政府の要請していた身柄送還が認められた。フィリピンは18年前に死刑制度を廃止しているため、引き続き祖国で服役する見通しだ。 女性はマニラ国際空港に到着し、インドネシア政府との取り決めに基づいて、マニラ首都圏マンダルヨン市の女性矯正施設に移送された。その後、家族との面会が許され、22歳と16歳になった息子2人が駆け寄って抱擁。女性の両親も涙ながらに、15年ぶりとなる娘との再会を果たした。 女性は2010年に「家政婦の仕事を紹介する」と言われインドネシアに入国した際、持っていたスーツケースからヘロインが見つかり逮捕されたが、一貫して無罪を訴えていた。その後、女性にスーツケースを渡した女が逮捕され、支援グループは「彼女は被害者だ」と主張。比政府に寛大な処置を求めている。 インドネシアは麻薬犯罪に厳しく、ジョコ前政権までは移送を認めていなかった。女性は移送に先立ち、プラボウォ大統領に謝意を表明。ギターなどの「土産」を手に民間機に搭乗した。