インフルエンザ警報発令 医師「子どもの脳症にも注意」
沖縄テレビ
沖縄県内でインフルエンザの感染者が急増していることから、県はきょうインフルエンザ警報を出しました。今シーズンの流行の要因や注意すべき点について、医師に話を聞きました。 那覇市松川にある首里城下町クリニックです。地下の駐車場に設けられた発熱外来では、インフルエンザの疑いのある患者が検査を受けています。 ▽田名毅(たなたけし)院長: 「年末年始、正月が明けた三連休を通して発熱の相談がかなり増え出した」 田名院長は例年よりも早いペースで感染が拡大していると懸念しています。 2024年12月30日から2025年1月5日にかけて、県内56か所の定点医療機関で報告されたインフルエンザの患者数は前の週から700人以上増え2000人余りとなりました。 1医療機関あたりの患者数は37.04人と警報基準の30人を超えたことから、県はきょうインフルエンザ警報を出しました。保健所別でみますと那覇が59.25人と最も多く、南部と八重山、宮古で警報レベルを超えています。 田名院長は新型コロナウイルスの流行で、インフルエンザの感染が落ち着き免疫力が落ちたことや、コロナ禍が明け、マスク着用などの感染対策が緩んだことが今シーズンの感染拡大の要因だと考えています。 ▽田名毅(たなたけし)院長: 「コロナ禍で私たちが学んだ人が集まる場所ではマスクの着用や外出して帰ったら手洗い、うがいなど基本に立ち返ることが重要です」 また、38度以上の高熱が出た場合は、インフルエンザを疑い、医療機関で受診してほしいとしています。 一方、小さな子どもを持つ家庭に注意してもらいたいのが「インフルエンザ脳症」です。 ウイルスに対する免疫が過剰反応することで起こり、脳に炎症が発生する病気で、痙攣や意識障害などの症状を引き起こし、最悪の場合、死に至るケースもあります。 ▽田名毅(たなたけし)院長: 「頭に関わる症状を疑った時には解熱剤だけで様子を見るのではなく、小さいお子さんであれば迷わず救急外来を受診していただきたい」 発熱症状があるのに職場や学校に行くなど、インフルエンザの感染を広げないためにも、一人ひとりの意識や行動が大切だと強調しています。 また、家庭では解熱剤などを常備して欲しいと話しています。子どものインフルエンザ脳症が疑われるときは別ですが、夜中に高熱が出た場合、まずは常備薬で対応し翌朝に受診するなど、医療機関が逼迫しないよう心がけてほしいと呼びかけています。
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