異様な存在感を放つ本郷奏多“花山天皇”　「光る君へ」第4回より

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第４回「五節の舞姫」が1月28日に放送され、師貞親王(本郷奏多)が即位し花山天皇となる過程が描かれた。妃を独特のスタイルで“寵愛”する姿に注目が集まり、SNSでは関連ワードがトレンド入りする盛り上がりとなった。(以下、ネタバレがあります) 【写真】美しすぎる…吉高由里子“まひろ”の舞姫姿 ■タブーも侵す本郷奏多“花山天皇” 平安時代を舞台に、のちに世界最古の女性文学といわれる「源氏物語」を生み出した紫式部の人生を描く「光る君へ」。ドラマ「セカンドバージン」で社会現象を巻き起こした大石静が脚本を務め、主人公・紫式部(まひろ)を吉高、紫式部の生涯のソウルメート・藤原道長を柄本佑が演じる。 そんな第4回で注目を集めたのは、やはり本郷だった。第2回「めぐりあい」では、母と娘の両方に手をつけたという話をニヤニヤ語る師貞親王時代の花山天皇の“痴(し)れ者(愚か者)”ぶりが話題となったが、そんな彼がいよいよ天皇に。即位直前には、取り巻きたちの被りをはぎ取るという平安貴族のタブーもやってのけ、エキセントリックなキャラクターを発揮した。 ■視聴者沸騰「日曜8時に…」 そして即位後には、藤原斉信(金田哲)の妹で女御(妃)となった藤原忯子(ふじわらのよしこ＝井上咲楽)に対するクセ強めの寵愛ぶりを示す描写も…。着物を脱がせ、忯子を見つめながら解いた帯で忯子の手首を縛る様子が放送されると、視聴者からも驚きと興奮の声が殺到。 「日曜8時のNHKに緊縛プレイ」「花山天皇の緊縛シーンにドキッとした」「なんとも雅な緊縛プレイ」「今週も本郷奏多に全部持っていかれたww」といった声が上がり、X(旧Twitter)では「＃光る君へ」がトレンド1位に。「花山天皇」「緊縛プレイ」がトレンドトップ10入りしたほか、Yahoo!検索ランキングでは「花山天皇」が放送後にトレンド1位にまで浮上した。 ■「驚くようなセックス＆バイオレンスを描きたい」 「光る君へ」の脚本を手掛ける大石氏は、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」(1996年)や「オードリー」(2000年)、NHK大河ドラマ「功名が辻」(2006年)も手掛けた人気脚本家。「大恋愛～僕を忘れる君と」(2018年、TBS系)では若年性アルツハイマーを患った妻と彼女を愛し抜く夫の純愛を描く一方で、「セカンドバージン」(2010年、NHK総合ほか)では長いこと性体験から遠ざかっていた“セカンドバージン”の女性と年下男性との危険な不倫愛を描き、“ラブストーリーの名手”と呼ばれる。 そんな大石氏、「光る君へ」会見では「人生最後の賭けだと思って、イチかバチかでお引き受けしました」と覚悟を語り、「戦がない(平安)時代、男性のエネルギーは女性に向かっていったのではないか。平安時代の驚くようなセックス＆バイオレンスを描きたい」と、刺激的なコンセプトを打ち明けていた。 ベテラン作家・大石氏が“人生最後の賭け”として挑むというセックス＆バイオレンスな平安ストーリー。エキセントリックな花山天皇は、大石氏が描こうとしている“エネルギー”、つまり、より本質的な欲望をダイレクトに投影できるキャラクターだ。“緊縛プレイ”にも、そのみなぎる思いの一端が窺える。 史実では早くに譲位してしまう花山天皇。だが、演じる本郷はこれまで「キングダム」(2019年)の成キョウや「アカギ」(2015年ほか)の赤木しげるなど個性的なキャラクターを多く演じてきた個性派俳優だけに、花山天皇の言動からまだまだ目が離せそうにない。