イラクから帰国の常岡浩介さん 「『ISから勲章』は事実無根」
イラク国内でクルド自治政府当局に拘束され、解放されたフリージャーナリストの常岡浩介さんが10日午後、東京都内で記者会見し、「12日間クルド地区で拘束されて心配されたと思う。申し訳ありませんでした」と謝罪した。 【動画】イラクで一時拘束の常岡浩介さんが午後3時から会見 拘束後、クルド系現地メディアから、「過激派組織『イスラム国』(IS)の通訳を務めた功績で勲章を受けた」と報じられたことについては、「完全に間違った内容。これが既成事実になると私は完全にイスラム国の関係者と認識されて残念な状態になる。それが誤解と釈明させていただきたい。(イスラム教徒としての思想は)ISと相容れない」と話した。 常岡さんによると、現地ではISの拠点都市モスルの奪還作戦を取材していた。10月27日にイラク大統領の記者会見に出席しようとしたところ、セキュリティ検査でISのロゴが入ったキーホルダーをバッグに入れていたことからIS関係者と疑われ、拘束されたという。キーホルダーはロシア国籍の義勇兵からもらったものだと説明。「ISのオーソリティから賞を受けた事実は全くない」と強調した。 拘束後は治安機関に連行され、取調べを受けたという。常岡さんによると、初めは厳しい雰囲気だった捜査員も、常岡さんがSNS上でIS司令官と「アイラブユー」「ミートゥー」などとやり取りしたことなどを紹介すると「爆笑」し、和やかな雰囲気になったという。 また、イラクには日本のジャーナリストは自分ひとりだったと説明。「(自分が取材して)日本に持ち帰らないといけないと思った。できれば現場に復帰したいと願っている」として、今後も取材を継続したいとの意向を示した。