【佐世保競輪・GⅢ開設記念】今年急成長の窓場千加頼がGⅢ初優勝 飛躍のきっかけは「古性さんの活躍」
佐世保競輪のGⅢ開設74周年記念「九十九島賞争奪戦」は最終日の22日、12Rで決勝戦を行い、窓場千加頼(33)=京都・100期=が5番手から捲り切って1着。初のGⅢ優勝を手にした。 【競輪】2025年度のGP、GⅠ、GⅡ開催地一覧表 2着は松浦悠士マークから窓場に切り替えた荒井崇博。8番手から捲り追い込んだ深谷知広が3着だった。4日間の総売上額は58億802万100円。目標額の53億円を上回る盛況だった。
■ヒーロー 今年最も成長した選手が、最後にその証しを見せた。窓場千加頼は打鐘で5番手を確保すると、松浦悠士の2角3番手捲りを追って、3角ではその上を乗り越えた。寒空の下、11秒3の上がりで真っ先にゴール。3月のウィナーズカップでビッグ初決勝、8月のオールスターでGⅠ準Vと飛躍した一年を締めくくった。 グレードレース初V。「素直にうれしいです。長かったです。腐った時期もあった」と振り返った。「もう一度頑張ろうと思ったのは、古性さんの活躍」と、オールスター決勝でワンツーを決めた同期の名前を出した。 満足のいくレース運びで記念ウイナーの仲間入りをした。「いいメンバーの中で、しっかり優勝できた。右肩上がりの調整ができるようになって、決勝が一番良かった。冷静だったし、ゴールまで踏み切れた」とすべてがかみ合った。 「自分でも飛躍できた一年。でもオールスター決勝、(9月)の地元(向日町)記念決勝と、大事なところで2着が続いた」と、惜敗がなぜ続くかを突き詰めていたところだった。その中で結果を残し、満足そうな表情。「寺崎君、お先しました」とGⅢ優勝のない近畿の仲間を引き合いに出してちゃめっ気を出した。 目線はさらに上。「これをステップにGⅠを取れるようになりたい」。来年のグランプリでは、脇本雄太―古性優作の前で風を切っていることだろう。(野口雅洋)
◆窓場千加頼(まどば・ちかより)1991年9月19日生まれの33歳。京都府長岡京市出身。府立向陽高卒。2011年7月、京都支部100期としてデビュー(向日町1、1、決勝4着)。通算成績は1137走で293勝、通算優勝15回。2024年のGⅡウィナーズカップは3連勝でビッグ初決勝進出(9着)。同年のGⅠオールスターではGⅠ初決勝で準V。師匠は父の加乃敏(かのとし、引退・59期)。ホームバンクは向日町。174.3センチ、85キロ、太もも56センチ、A型。 ■決勝VTR 6番車の渡邉がSで出て、深谷―渡邉が前受け。後位は松浦―荒井、佐々木―末木、窓場―稲川―村田で周回。 赤板で窓場が誘導を切ると、すかさず松浦が叩き、さらに佐々木がカマして打鐘。佐々木が先行態勢に入り、末木が車間を空けて援護。それでも松浦が2角捲りに出て関東勢をのみ込んだが、その上を窓場が捲って先頭へ。その窓場の後位へ、地元の荒井が松浦マークから切り替えて追走。直線で窓場に迫ったが、窓場は最後まで勢いが衰えずV。荒井は届かず2着。深谷は3角8番手から捲り追い込んだが、3着がいっぱい。