「先が見えない」能登の海女、漁再開できず… 能登半島地震から半年
門木奈津希さん 「海岸の白い貝がついている所が、水につかっている部分」 鈴江キャスター 「色が変わってる。貝殻がついている」 門木奈津希さん 「本来なら水につかっている」 地震で海底が2メートルほど隆起したといいます。 鈴江キャスター 「こういう状況が続いている気持ちは?」 門木奈津希さん 「もっと早く復旧するかと思ったけど、何も変わらない」
◇ 海に出られなくなった約130人の輪島の海女。今思うことを、聞かせてもらいました。 鈴江キャスター 「長年、海女を続けてきて、半年も漁ができないことあった?」
門木奈津希さん 「ないね」 浜谷美恵さん 「半年たっているから『当たり前のように漁に出ているんじゃないか』『当たり前のように仕事しているんじゃないか』、そういう風に思われているかも。まだ全然変わっていない。忘れ去られているんじゃないか、まだこんな状況ですよと、忘れないでほしい」 山岸美咲さん 「家もダメ、漁はできない。先が見えないしか言えない」 アワビも、サザエも、とることはできなくなりました。
先の見えない不安が続く中…。早朝、ウエットスーツを着ていた門木さん。 門木奈津希さん 「いつも潜っている所のもずくの育成と海底の調査に」 もずくの生育状況を見るため、地震で変わった海へ… 「隆起で上がった?」 「分からん」 門木奈津希さん 「いつもから見れば、もずくの生育が少ないけれど、少量の漁から試験的に操業してみてもいいかなと」 そして、6月28日、7月から試験的に海女漁を再開できることが決まりました。まずは、もずくを対象とした漁から始めるということです。 なりわいを取り戻す一歩を踏み出せた、輪島の海女。 鈴江キャスター 「海に出られることが喜び?」 門木奈津希さん 「毎日ワクワクしていると思う、みんな。少しずつ何かをして、1つでも早く元に戻ること。戻ってほしいです」
■鈴江キャスターが取材を通して感じたこと
鈴江キャスター 「まずは再開に向けた一歩となる試験的な漁は始まりますが、海産物を船から運び出し、氷を作ったり、仕分けしたりする港の工事は見通しが立っておらず、本格的な漁を始めることはできていないんです」 斎藤佑樹キャスター 「仕事ができなければ、もちろん生活することも子育てすることも、とても難しいですよね」 鈴江キャスター 「被災された方たちにとって『生活再建』は言葉で言うほど簡単ではなく、先行きが見えないことが、精神的にも経済的にも大きな負担となっています。その背中を押していく息の長い支援と、見通しを一日でも早く描くことが、明日への希望につながると感じます」