「首都封鎖よりマスク配布を」 台湾を例に専門家が提言
マスクを行き渡らせた台湾
佐々木氏が成功事例に挙げたのは、行政主導でマスクを用意し、配給制の形で市民に行き届かせる政策をいち早く打ち出した台湾だ。「台湾では、その政策によりマスク不足を解消し、新型コロナウイルスを一定程度抑え込むことに成功した」と述べた。 一方、その台湾でも海外からの帰国者の感染例が出て、完全な抑え込みには至っていない。佐々木氏は「日本は幸い島国なので、ヨーロッパみたいに陸路で感染が広がるということはないが、水際対策を徹底することは必須。水際対策をやるのは国の仕事だ」と指摘した。
コロナ対策、政争の具にしてはならない
佐々木氏は、自民党政権が今回の新型コロナウイルスへの対応を利用して、権力基盤を整えようとしているのでは、とくぎを刺す。 米国は経済対策として、GDPの約1割に相当する約2兆ドル(約220兆円)規模で財政出動を行う。佐々木氏は「日本もそれにならって共同歩調でGDPの1割を目安とした経済対策をやるでしょう。それで、なんとなく他国ともそろったように見える」と指摘。「しかし、6月ごろに現金の給付などを行った後に衆院を解散し、総選挙に打って出るという憶測も出ている。そうすると、新型コロナウイルスへの対策を逆手にとって権力基盤を整えようとしているように映る。『災い転じて福となす』との言葉があるが、災いを受けるのは国民で、福を得るのが為政者、ということはあってはならない」と話した。