大の里、夏場所以来2度目の優勝で”大鵬超え”大関昇進を確実に 大関豊昇龍を破り自己最多13勝目【大相撲秋場所】
◇21日 大相撲秋場所14日目(東京・両国国技館) 関脇大の里(24)=二所ノ関=が、自己最多の13勝目を挙げて夏場所以来、2度目の優勝を果たした。結びの一番で、大関豊昇龍を押し出し、不戦勝以外で初めて勝って決めた。大関昇進の目安とされる「三役直近3場所で計33勝」に対してこれで34勝。入幕からの所要で「昭和の大横綱」大鵬より1場所早い5場所での昇進を確実にしている。 新小結で初優勝を果たした夏場所で12勝、新関脇だった名古屋場所で9勝して大事な3場所目を迎えた大の里は、初日から11連勝。関脇の初日からの連勝記録で、8連勝だった師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)や大鵬、10連勝だった北の湖ら後の横綱を超えた。12日目に若隆景に初黒星を喫したが、右差しと左からのおっつけを武器に大関戦で2連勝。地力を示して賜杯にたどり着いた。 「最高の相撲が取れた」。ちょんまげでの優勝は今年春場所で尊富士も果たしていたが、2度はもちろん史上初。大の里が、新時代の担い手として先頭に立つ。 ◆大の里泰輝(おおのさと・だいき) 本名は中村泰輝。2000年6月7日生まれ、石川県津幡町出身の24歳。津幡小1年で「津幡町少年相撲教室」で相撲を始めた。中1から新潟へ相撲留学し、糸魚川市能生中、海洋高(同市)を経て日体大でアマチュア13冠の実績を残し、二所ノ関部屋に入門した。しこ名は昭和初期に活躍して「相撲の神様」の異名を取った元大関大ノ里にちなんでいる。昨年夏場所で幕下15枚目付け出しで初土俵。同年秋場所で新十両。今年初場所で新入幕。夏場所で新小結、名古屋場所で新関脇。優勝2回。三賞は殊勲賞、技能賞、敢闘賞のいずれも2回。得意は突き、押し、右四つ、寄り。192センチ、182キロ。
中日スポーツ