「ミシンで服を作りたい」縫製会社に就職した知的障害の女性 夢に向かって奮闘
この春、縫製会社に就職し、社会人として歩き始めた知的障害の女性がいます。「ミシンで服を作りたい」という夢に向かって日々奮闘する姿を追いました。 【写真を見る】「ミシンで服を作りたい」縫製会社に就職した知的障害の女性 夢に向かって奮闘 ■縫製の仕事に興味…実習重ね就職決まる 足踏みミシンを使いながら線に沿って針を進める加藤麻里奈さん20歳。軽度の知的障害がある加藤さんは、4月から大分市中戸次にある縫製会社「ダイナン」で働き、ミシンの練習に集中しています。 加藤麻里奈さん: 「これまでミシンを扱ったことはないです。丁寧さが一番基本なのでそこを意識して縫うように頑張っています」 会社の朝礼では各班の班長がその日の業務内容を伝達します。工場では高級ブランドの子ども服などを生産。従業員はおよそ90人で、障害のある人や外国人技能実習生が一緒に働いています。 ダイナン 但馬史晴社長: 「会社が社会の縮図というふうに捉えた場合にいろんな方がいていいんじゃないか」 加藤さんは障害者の就労や生活支援を行う「博愛大学校どりーむ」を3月に卒業しました。学校では2年間でおよそ10項目の実習に取り組みます。様々な仕事を試すことで自分の適性を明確にし、就職へとつなげます。細かい作業が好きだった加藤さんは縫製の仕事に興味を持ち、企業での実習を重ねました。 加藤麻里奈さん: 「周りの方がすごく明るくて作業面でも教わったら自分もスムーズに作業できるんじゃないかという印象だった」 加藤さんの日誌を見ると、実習を重ねるうちに専門用語も覚えて、より具体的な作業内容を記録できるようになっています。 博愛会地域総合支援センター 豊田聡恵支援部長: 「何が間違っていたのか、何を工夫することで次の実習に進めるのかを繰り返し伝えていく中で、彼女が集中力・継続性を身に付けていった。いろんなプラスアルファが出てきてダイナンさんの就職に結びついた」 ■「喜んでもらえるような製品を作りたい」 ダイナンでは独自の方法で働きやすい環境作りに取り組んでいます。例えば、子ども靴の縫製では、生地をセットしてミシンのペダルを踏めば半自動的に縫えます。また、接着テープを効率的に縫い付ける補助具も開発。こうした工夫で品質、生産性を担保しています。