ペッドボトルの回し飲みが「むし歯の原因」に!? 口移しをしてしまってもできる虫歯予防法
子育てに直面したときに、巷で耳にする、あんなウワサ、こんな説。それってほんとうに根拠があるの? 【歯医者が教える】子どもの歯医者定期検診のメリット4選! これまで、気になる論文を読んできた、情報理工学博士の山口先生が、世の中にあふれる「子育て説」を科学の面から一刀両断。現在子育てに悩んでいる方、なにかヒントが見つかるかもしれませんよ! 今回は、「むし歯の原因」について、お話しします。
むし歯の原因は“菌”
ひと昔前は、親と子どもがスプーンや食器を共有したり、場合によっては親が口の中で小さくした食物を離乳食代わりに与えるということがよく行われていました。 しかし、こうした行為 により、子どもにむし歯をうつしてしまう危険性が高まります。 以前はむし歯の原因がよくわからず、甘いものを食べたからなどと言われてきました。 しかしむし歯の原因は菌であることがわかっています。菌が口の中に入らない限りは、虫歯になることはありません。ですから、もし親にむし歯がないのであれば、スプーンを共有しても大丈夫でしょう。 ただ、頭ではわかっていても、原因を全てなくすことは難しいので、むし歯の少ない国がどのようなことをしているか考えてみたいと思います。
もし、すでに口移しなどしてしまったという方は、むし歯の予防やチェックも兼ねて、まずは歯医者さんに行ってみてはいかがでしょう。 我が家では、ペッドボトルの共有も避けているので、常に2本を用意しなくてはならず、少しめんどくさいです……。フッ素塗布もしていますし、使い捨てのスプーンや箸なども持ち歩くようにしています。 今後も、理系の研究者が母親になって感じた日々の疑問について、私なりに調べ、考えた結果を共有していけたらと思っています。
PROFILE 【山口利恵】
5歳の子どもを持つ母親で、博士(情報理工学)。普段は、東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターの特任准教授として、情報系の研究を推進。また、情報オリンピック日本委員会や国際大学対抗プログラミングコンテストのメンバーとして、中高・大学生の数理情報科学教育の振興にも邁進。趣味はクラシック音楽。