「パーキンソン病」予防に“コーヒー”が効果的! カフェインとの関連性を報告 蘭研究
オランダのユトレヒト大学らの研究グループは、「コーヒーを飲むことがパーキンソン病のリスク低下と有意に関連していた」と発表しました。 「コーヒーに含まれるカフェインなどが、神経保護作用に関係している可能性が示された」としています。このニュースについて中路医師に伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
研究グループが発表した内容とは?
編集部: 今回、オランダのユトレヒト大学らの研究グループが発表した内容について教えてください。 中路先生: 今回紹介するのはオランダのユトレヒト大学らの研究グループが発表した内容で、研究成果は、学術誌「Neurology」に掲載されています。 研究グループは、パーキンソン病リスクを低下させることにコーヒーの摂取が関連することが複数の研究で示唆されているものの、カフェインおよび代謝産物とパーキンソン病の発症予防との関連を示した研究はないことに注目しました。 研究グループは、ヨーロッパの18万4024人を対象に解析を実施しました。対象者のうち593例が追跡期間中にパーキンソン病を発症しました。 対象者をコーヒーの摂取量ごとに4グループに分けて解析をおこなった結果、最もコーヒーを飲むグループはコーヒーを摂取しないグループと比べて、調整後ハザード比が0.63と最も低くなりました。 なお、カフェインレスコーヒーの摂取とパーキンソン病との関連は認められなかったそうです。 また、中央値で8年後にパーキンソン病と診断された281人に限定して解析を実施したところ、最もコーヒーを飲むグループはコーヒーを摂取しないグループと比べて、調整後ハザード比が0.54となり、リスク低下とより強い関連が明らかになりました。 研究グループは、今回得られた成果について「カフェインが含まれるコーヒーを摂取すると、パーキンソン病の発症リスクを低下させることが示された。 コーヒーによる神経保護作用は摂取量に依存的で、カフェインや主要な代謝産物が大きく寄与している可能性がある」と結論づけています。