「アホ」「帰れ」と叱責、ボールぶつける…スポーツ指導者の暴力・暴言、徳島県内で相談7件 23年度、処分事例はなし
2023年度、スポーツ指導者らによる暴力や暴言に関する相談が県スポーツ協会県スポーツ少年団に7件寄せられていたことが分かった。処分に至った事例はないものの、不適切行為の根絶を目指す協会は「子どもたち一人一人を尊重した指導をしてほしい」と呼びかけている。 【動画】J2徳島復帰の岩尾が記者会見、背番号19のユニ姿も披露 協会によると、相談はいずれもスポーツ少年団の指導者による行為を通報する内容で▽試合中や練習時に失敗すると、笑ってバカにする▽「アホ」「ボケ」「お前やいらん、帰れ」といった暴言を吐く▽ボールを子どもにぶつけた▽長時間にわたる過度な練習を行っている―などがあった。 相談者の多くが「チームの指導者に相談したことを知られたくない」などと匿名を希望した。その理由として「不適切な指導がエスカレートする」「試合に出してくれなくなる」などが上がった。 協会は相談を受けると、競技団体や各市町村のスポーツ少年団と連携して関係者らへの聞き取りなどの調査を行う。調査結果の報告を受けた日本スポーツ協会(東京)が処分を決定するが、処分手続きには関係者らの実名が必要となる。相談のあった7件の多くが匿名での通報だったため、5月末時点で処分に至ったケースはない。 協会は「指導者は選手がずっとプレーを続けていけるような環境をつくってあげるのが大切だ。常に選手のためになるのかを考えて指導してほしい」としている。 日本スポーツ協会は23年度から、スポーツの現場から暴力や暴言、ハラスメントをなくす「NO! スポハラ」活動を行っている。同年1月には、協会公認のスポーツ指導者と、スポーツ少年団登録規定で認められた団員や指導者らが不適切な行為を行った場合の処分基準を一本化した。同年度、協会に寄せられた相談は統計開始の14年度以降で最多の485件に上った。