【特集】石ノ森萬画館の中瀬「マンガッタン」 江戸時代からの歴史とこれからの未来
ミヤギテレビ
宮城県石巻市を流れる旧北上川の河口にある中瀬。 面積は5.4ヘクタールで、東京ドームより少し大きいくらいだ。
先週末、公園の整備に向けて市が開いた意見交換会には市民30人ほどが集まり、その活用について話し合った。 参加者 「ダンスでもなんでも良いんですけど若者たちが約束せず集まれる場所」 「重要なのは利活用、野生を利活用するみたいなことは同時に行われないと」 これは市民の有志が描いた中瀬の未来。
集い、伝え、学び、創るがコンセプトで、市では今年度デイキャンプなどの社会実験を行っている。 いまでは石ノ森萬画館がランドマークになっている中瀬。 そもそもどんな場所だったのだろうか。 郷土史の資料を収集している団体の小野寺豊さん。 石巻アーカイブ小野寺豊代表理事 「中瀬は江戸時代に川村孫兵衛が北上川の改修工事をしたことに よって奥州随一の港として石巻港が栄えてきました。まだその当時は、内海橋があり ませんので中瀬はあくまでも川の中州ということで船を着け たりそこで魚を獲ったりという程度でした」
明治時代に橋が設置
明治時代に中瀬を東西に繋ぐ橋が設置された。 小野寺さんの父親は中瀬の造船所で働いていたそう。 「父を造船場の近くで待っていると終業のサイレンが鳴るんですね。 サイレンが鳴ると一斉に造船場の関係者の方々が『ワーッ』と来て自転車で『ワーッ』と帰るのがあって内海橋が大ラッシュの状態になって湊側に帰る人、石巻側に帰る人でごった返す感じでした」 こんな写真も。 中瀬のそばの旧北上川で泳ごうとしているのは地元の小学生。
市民に愛された映画館「岡田劇場」
中瀬は文化の発信地でもあった。 市民に愛された映画館「岡田劇場」。 人々はスクリーンに登場する昭和の銀幕スターの演技に魅せられた。 学生時代に映画を見に来た一人が、仮面ライダーを生み出した漫画家・石ノ森章太郎さんだった。 中瀬を上から見るとニューヨークのマンハッタンにそっくり。 石ノ森さんは中瀬をマンガッタンと名付けた。