ガラケーやファービー…近くて懐かしい「平成レトロ」 愛知・豊橋で企画展
「昭和レトロ」に続き、じわじわと人気を集めているのが――。「平成レトロ」の名付け親とされ、「平成文化研究家」として活動する山下メロさん(43)が監修する企画展「平成レトロ展」が、豊橋市の「こども未来館ここにこ」で開かれている。「近いけど懐かしい平成」に青春期を過ごした来場者らで連日にぎわっている。 会場には、「ガラケー」と呼ばれる旧型の携帯電話や、大流行した漫画「ドラゴンボールZ」「スラムダンク」が映画化された際のポスター、レンズ付きフィルムなど、当時の生活に密着した「平成グッズ」約500点が並ぶ。山下さんのコレクションや一般公募などで集められた。 再現された「1990年代の男子高校生の部屋」には、ビデオ内蔵型の分厚いテレビの周りにゲーム機「プレイステーション」があり、ぬいぐるみロボット「ファービー」なども置かれていた。多くの来場者が「これ、あったね」などと言いながら立ち止まり、身を乗り出していた。 15日から始まった企画展は、1日平均約800人を集めるほど関心が高い。その背景を山下さんは、携帯電話を始めとする技術革新が目覚ましかったことなどを挙げる。その上で、「厚底ブーツにミニスカートをはいた『コギャル』のように、若者が流行を作り、勢いがあった」と分析する。 自らも1990年代に高校生時代を過ごした山下さんは、全国のリサイクルショップなどを巡っては「懐かしいモノ」を集めている。その傍ら、テレビやラジオ、SNSなどで2019年頃から、平成の魅力を発信している。この3年ほどで、平成グッズの写真などを紹介しているX(旧ツイッター)のフォロワーは1万人を超えた。 ブームの到来を肌で感じているという山下さんは「今の社会は平成があってこそ。当時の価値をぜひ見直してほしい」と来場を呼びかけている。 入場無料、午前9時半~午後5時。問い合わせは同館(0532・21・5525)。