映画『私にふさわしいホテル』、加代子(のん)が完璧に着こなすスタイリング5つのポーズ
話題作を次々と発表してきた柚木麻子のいちばん“危険な”作品ともいえる映画『私にふさわしいホテル』が、12月27日(金)より全国公開されます。 主人公・加代子を演じるのは『さかなのこ』で新たな魅力を発揮し、俳優、アーティストとして様々な分野で活躍するのん。監督にはTVドラマ、映画、舞台……あらゆるジャンルでヒット作を生み出し、社会現象を作ってきた堤幸彦が務めます。 今回堤監督が絶大な信頼を寄せるスタイリスト・中村のんがスタイリングを担当した、のん演じる加代子の5ポーズの写真が公開されました。 新人賞を受賞したにもかかわらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島佳代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)の酷評でした。文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、いつかこのホテルにふさわしい作家になりたいと夢見る加代子は、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)の力を借り、己の実力と奇想天外な作戦で、権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていきます――。 ズタボロになっても何度でも立ち上がり、成功を己の力で引き寄せていく加代子の奮闘っぷりに、驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”が誕生しました。共演には、田中みな実、服部樹咲、髙石あかり、橋本愛、橘ケンチ、光石研、若村麻由美など実力派&超豪華な俳優陣の面々。各々が超個性的なキャラクターを演じています。 今作は80年代を舞台にしており、スタイリングを手掛けたのは、堤監督から絶大な信頼を寄せられるスタイリスト・中村のんです。中村は数々のCMや有名アーティストのスタイリングを手掛け、そのセンスは高い評価を得ています。中村の手掛けるスタイリングは、どれも当時の時代背景と主人公・加代子の個性に見事に調和しており、作品の世界観をさらに引き立てています。 今回は、そんな中村のんが手掛けた加代子の5つのスタイリングに注目し、その魅力や背景に込められたこだわりなどを紐解いていきます。これらのスタイリングに注目することで、本作の新たな見方が発見できるでしょう。 まず1枚目は、加代子が“初”の新人賞を受賞した時のスタイリング。淡いピンクベージュのワンピースは、大きな白い襟が特徴的で、クラシックな中にも可愛らしさを感じます。さらに、黒のストラップシューズを組み合わせることで、全体的に清楚で上品な印象を演出しつつ、どこか初々しい新人らしさも感じるスタイリングです。 2枚目は加代子が山の上ホテルに宿泊した時のスタイリング。80年代を彷彿とさせるトラッドな要素と落ち着いた色味が印象的です。ブラウン系のチェック柄ジャケットを主役に、フリルのあるハイネックトップスでフェミニンさを加え、ブルーのフレアスカートが全体を軽やかにまとめています。さらに、鮮やかな赤いベレー帽がアクセントとなり、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。 3つ目は加代子が書店に自著を売り込みに訪れる時のスタイリング。パープルのジャケットに鮮やかな花柄のベストを組み合わせ、全体にヴィンテージ感のある雰囲気が漂います。ボトムスにはボリューム感のあるベージュのチュールスカートを取り入れ、フェミニンさと軽やかさを加えたスタイリングとなっています。レトロな要素と現代的なアレンジが絶妙に調和し、加代子の個性が現れています。 4枚目は加代子がペンネームを変え、有森樹里として新人賞を受賞した際のスタイリング。これまでの雰囲気とは一変し、ショートヘアに艶やかなブラックのアシンメトリードレスを纏い、上品さと大人っぽさが際立つ装いとなっています。足元にはブーツやストラップシューズではなくヒールを合わせており、今までとは違った雰囲気を感じるスタイリングとなっています。 5枚目は編集者・遠藤とともにスナックで飲み明かす時のスタイリング。オーバーサイズの鮮やかなグリーンのジャケットを主役に、ポップな色使いが目を引く幾何学模様のネクタイを合わせ、遊び心のあるアクセントを加えています。ヘアスタイルには細めのヘアバンドをプラスし、ナチュラルなウェーブヘアとともに、顔周りにレトロな可愛らしさをプラス。カジュアルな中にもエレガンスを感じさせる、リラックスした雰囲気が魅力のスタイリングに仕上がっています。 堤監督も「のんさんはもう完全に“加代子”でした。スタイリスト・中村のんさんの衣装を完璧に着こなして、『昭和にはこういう人が本当にいたんだろうな』と思わせることに成功している」と述べており、監督が求める世界観とスタイリングがうまく表現ができたのでしょう。 加代子(のん)の他にも遠藤(田中圭)や、東十条(滝藤賢一)などのキャラクターのスタイリングにも注目して観るとより一層楽しめるでしょう。ぜひそんなところにも注目して本作をご覧ください。 (C)2012柚木麻子/新潮社 (C)2024「私にふさわしいホテル」製作委員会