「ドラ1を目指して大学に進んだ」名城大の右サイド・松本凌人(DeNA2位)が進化のために取り組んだこと<年末特別企画・ドラフト指名5投手の成長物語③>
今年のドラフト会議でDeNAから2位指名を受けた名城大の松本 凌人投手(神戸国際大附出身)。最速153キロの速球、スライダー、シンカーを武器に、大学トップレベルのサイドスローだ。 【動画】大学No.1サイド 名城大・松本凌人の剛速球がうなる...高速シンカーも必見! 神戸国際大附時代から140キロを超える速球を投げ込む投手して注目され、3年には春季県大会優勝、夏の兵庫大会でも準優勝をはたしている。甲子園の出場は叶わなかったが、全国レベルの投手だった。 名城大では2年時にエースとして大学選手権出場に導く活躍。3年時には大学日本代表候補に選ばれた。 高校時代から強いプロ志望だった松本は4年後、さらに良い評価を経てプロ入りするために、名城大へ進んだ。4年間の成長の歩みと取り組み。ドラフト前に語った決意に迫る。
サイドスローの出会いから第一歩に
松本の代名詞であるサイドスローの出会いは高校1年秋。青木監督の薦めからだった。 「監督さんからサイドスローにしたらどうだと言われて、自分自身、あまり結果残せていなかったので、迷わずサイドスローにしました」 この転向が松本の持ち味を活かすことになった。 「昔からスライダーには自信があったので、体の回転も合っていたと思います」 結果はすぐについてきた。3年春には県大会優勝。近畿大会にも出場。2019年当時、140キロ中盤の速球、切れのあるスライダーを投げる右サイドは全国でも松本と専大松戸の横山 陸人投手(現ロッテ)しかおらず、まさにスカウト注目の存在だった。 しかし最後の夏は決勝戦で敗退し、甲子園出場は叶わなかった。最初はプロ志望だったが、進学を決断する。 「プロに行きたい気持ちは強かったんですけど、実力的には全然足りていないところがあって、もう一段階レベルアップが必要と考え、進学しました」 進学する意思を聞きつけ、関西の大学などからも誘いがあったが、安井監督からの誘いを受け、名城大進学を決める。 「元プロの山内 壮馬コーチ(元中日)がいて、投手として何が足りないのかを学びたい思いがあったので、名城大に決めました」 大学2年にはストレートが140キロ中盤から一気に150キロに到達した。 「ランニング、ウエイトトレーニングをしたこと、高校時代の体重82キロから88キロまで増量したことで、少し体の強さがでてきたと思います。食事面も工夫して、ご飯も3杯食べるなど、量を増やしたことで、体重も増えてきました」 こうした体作りの影響もあり、名城大のエースとして着実にプロへの階段を登っていた松本。3年生時は大学選手権ベスト8、明治神宮大会ではベスト4入りを果たした。 「明治神宮大会は初めての大会でしたので、とても緊張したことを鮮明に覚えています。各大学の強いチームと対戦して、成長できたと思っています」