男性用便器はまだマシだが、個室トイレは「壮絶な状況」に…被災地の「深刻すぎるトイレ事情」
我々が生活を送るうえで必要な存在のトイレ。だが、今回の地震で被災地のほとんどの水洗トイレが機能していない状態が続いている。 【画像】ひどい…!被災地の「ヤバすぎるトイレ事情」写真…! 道路上のマンホールは露出し、上下水道は壊滅状態。被災が軽微だった各住居でもトイレは機能していない。また、各避難所に設置された仮設トイレはキャパをゆうに超過、し尿回収のバキュームカーも全く数が足りていなかったことから、仮設トイレを使用できる数を制限して使用せざるを得ないところも多い。岸田文雄総理も1月9日のXで、 「避難所の衛生環境の改善のためにバキュームカーを増強するとともにし尿の回収体制の強化を進める」 と異例のトイレに関する内容をポストしていた。 ひどい状況なのが道の駅や公園などのトイレだ。男性用小便器はまだマシとしても、個室内は壮絶な状況である。また、車いす用トイレなどは電気系統の不調から警報やランプが鳴りっぱなしのところも多い。また、名勝見附島のそばにある公衆トイレは津波の影響を受けて魚や泥などがトイレ内に入り込んでおり、バキュームカーでやってきた担当者は 「し尿処理以前の惨状なので体制を立て直して改めて作業を行います」 と話していた。 トイレの問題に関して「サンドウィッチマン」が気仙沼市に寄贈したトイレトレーラーと同タイプのものを多数全国の市町村が保有しており、今回実戦配備として能登半島で多数が活躍している。実際にこのトイレを利用された人に話を伺うと 「仮設トイレとは大違いで安心して利用できました。昼でも夜でも明るくて清潔だし本当にホッとできました。何より臭くないのが良いです」 とのことで使い勝手や評判も上々のようである。 警察消防自衛隊や復旧活動のために現地入りしている各省庁、またライフライン系の事業者らもトイレ問題は同様で、完全に自己完結しなくてはならない。警察や消防、自衛隊にはトイレカーという車両が配備されており、一部の部隊はそれらを使用できたが、応援に来た全ての部隊がその車両を保有していないため、基本的には携帯トイレなどで用を足さざるを得ない状況だったということだ。 トイレ環境の悪化により感染症発生のリスクも高まる。さらに、簡易トイレの利用を敬遠して食事を必要以上に摂らない方もおられたが、結果的に栄養失調など別の病気の原因のリスクも高まる。夜間の女性のトイレ利用で性被害に遭うリスクもあるため、様々な状況から一刻も早い改善が望まれる。 取材・撮影・文:有村拓真
FRIDAYデジタル