どんどん仲間が増えていくーー中学校世代でも始まった、野球のリーグ戦Liga Agresiva
選手数が増えている参加チームの共通点は?
「野球離れ」が進む中で、中学レベルの少年硬式野球チームも選手集めに苦労しているところが多い。中には試合に出る選手を確保することに四苦八苦しているところもあるが、Liga中学に出場している4チームはいずれも多くの選手が参加している。 この4チームに共通するのは「目先の勝利」「大人たちの満足」ではなく、野球をしている子どもたちの「将来」「成長」を考えて指導をしていることだ。 子どもの成長を阻害するようなハードワークは求めないし、パワハラめいた指導も行っていない。そして子どもの主体性を重視する。以前は厳しい指導で知られたチームもあったが、指導者の代替わりと共にチームの改革が進んだのだ。 近年の子どものスポーツの選択には、母親の意向が強く働くことが多い。 「僕は野球をさせたいのだけど、妻がうんと言わなくて、サッカーをすることになった」というような話をよく聞く。父親世代は、厳しい指導を受けてきた人が多いので、少年野球のパワハラめいた指導も気にならない人が多いが、母親は、子どもが楽しそうに野球をしているか、そして野球をすることが子どもの成長につながるかを重視する。今、選手数が増えている少年野球チームに共通するのは「子どもファースト」になっていることだ。 この4チームはもともと、こうした指導方針を持っていたからLigaの理念に共感を覚えて、リーグ戦に参加したのだ。
アフターマッチファンクションの効果
1試合目の後は、アフターマッチファンクションが行われた。対戦したチームの選手が腰を下ろして少し早い昼食を食べながら、意見交換をする。同じ大阪のチームだ。小学校時代にチームメイトだった選手や、それ以前から試合で対戦した選手などが、話を切り出して、そこから話が盛り上がる。 最初はぎごちない会話をしていた選手たちも、次第に活発に話すようになる。 「敵」ではなく「同じ野球をする仲間」としての連帯感、そして互いに相手をリスペクトする感情が芽生えてくるのだ。