【独自】現地邦人が激怒!在グアム日本領事館が台風通過後も“さぼり”閉鎖…過去には日本人避難民を“無視”の失態も
「前日に決めたこととはいえ、この天気でまる1日、領事館を閉鎖するのは“さぼり”以外の何物でもないでしょう」 【え……】11月13日、晴天のグアムだが、領事館は閉鎖していた と語るのは、米準州・グアム島のコーディネーターだ。11月9日、マーシャル諸島で発生した台風24号「マンニイ」は、11月13日、グアム島近くを通過した。進路によっては直撃する可能性があったグアム政府は、13日の午前0時から警戒レベルを引き上げ、“外出禁止令”を出した。グアムにある在ハガッニャ日本国総領事館はこれを受け、13日の領事館の閉鎖を決定。再開は後日、発表するとした。先のコーディネーター現地の様子を明かす。 「2023年の日本からグアムへの入国者数は、約60万人です。コロナ禍で消えた観光客が戻りつつあり、今年はすでに昨年の入国者数を超えています。13日は、10月の連休と11月の連休に挟まれた時期なので、日本人観光客は少なかったはずですが、おそらく数千人の日本人がグアムに滞在中でした。台風が到達するのが13日の未明ということだったので、日本からグアムへの出国便は、午前便の一部がキャンセルもしくは夕方以降の到着に遅延。帰国便も夕方から深夜の出発の予定という状態でした。つまり、帰国できずに滞留していた日本人も当然、いたわけです。にもかかわず、丸一日も領事館の閉鎖を決めてしまうのは無責任な気がします」(同前) 言うまでもなく、在外大使館、領事館は当該国内の邦人保護が最優先の使命になる。グアム島は大型台風の進路の一つでもあり、過去に、台風の直撃でホテルが崩壊し、宿泊客が館内避難する事態が何度も発生している。 特に2002年12月の台風「ポンソナ」では、死者こそ出なかったものの、ほぼ3日間も台風が停滞したため、グアム島内の公共インフラに大きな被害が出た。断水や停電状態が続いたため、多くのホテルが台風通過後に館内の一時閉鎖を決定。当然空港も閉鎖されており、ホテルの宿泊客らは、露頭に迷うことになった。 「当時はツアー会社が被害の少ないホテルと交渉し、なんとか邦人を避難させることに成功しました。足止めされた日本人観光客が全員帰国できたのは、10日以上も経ってからです。この間、避難場所の確保や帰国の手筈を必死で探したのはツアー会社など民間の力だけ。一方、日本領事館は、業務を停止しており、何もしませんでした。もしも今回の台風で似たような被害が起きても、無視するつもりだったのか。イラッとしますよ」(別の現地で暮らす日本人) 今回は、13日午後1時から警戒警報が引き下げられ、さらに午後5時には解除された。グアム政府職員は、午後1時から通常業務に戻り、被害状況の確認を開始している。店舗や飲食店なども、午後には通常業務を始めていたという。 「予想が外れ、昼には晴天でしたからね。日本領事館だけが、前日に閉鎖すると決めたから、という理由で丸一日“サボっていた”というわけです」(前出・コーディネーター) 外務省に13日の総領事館閉鎖のいきさつを質すと、こんな答えが返ってきた。 「運営については現地の総領事がすべて決めています。台風など自然災害の場合は、スタッフの安全を考慮します。もちろん、邦人保護も使命ではありますが、スタッフの安全確保も重要です」 ほかの省庁関係者が、苦笑しながらこう語る。 「もともと国営ツーリストと揶揄されるくらいで、在外公館の職員の仕事は外遊する政治家の手配とお世話が主ですよ。外交なんてしちゃいません。外国政府との具体的な交渉は、そのほとんどが経済産業省と農水省の管掌領域です。 とはいえ、書記官や武官、総領事、大使など、他省庁から外務省に出向するポストは腐るほどあります。ぶっちゃけ、外務省への出向は『休んで来い』と言って送り出すくらい楽なんですよ。災害時の計画避難などできるわけもないし、できやしないと外務省自身が判っています」 職員まで観光気分では困るが……。