【特集】「音や感覚に敏感」「じっとしていられない」発達障害などを抱えた子どもたちの“心の声”に寄り添う『スマイルカット』 過去の苦い経験バネに…ある美容師の想い―
美容室を飛び出し“ヒーロー活動”も!赤松さんが思い描く未来「『スマイルカット』とかそんな言葉はいらなくて、どこのお店でも当たり前に」全ては子どもたちの笑顔のため―
赤松さんの活動は、美容師だけに留まりません。時には美容室を飛び出し、保育園などで“ヒーロー”に大変身! (赤松さん) 「今日は、『ピースマンのチョキチョキなんてこわくない!』という絵本を読み聞かせします!」
絵本『ピースマンのチョキチョキなんてこわくない!』。赤松さんは、カットが苦手な子どもを救うヒーローと子どもの成長を描いた絵本を作りました。
(赤松さん) 「髪の毛を切るだけじゃなくて、いろんなことに挑戦できるようになっていくというお話です。『苦手なことを頑張ることによって、いろんな可能性ができた』という、諦めないで頑張ろうねということが伝えられたらと思っています」
(赤松さん/絵本の読み聞かせ) 「ボサボサヘアーも、さっぱりカット!ピースレッド!いくぞーっ!シザーカッツ!シャキーン!」 (子どもたち) 「ははは~(笑)」 子どもたちの笑顔が、何よりの原動力です。 (赤松さん) 「めちゃくちゃ楽しいです!すごいエネルギーをもらうというか、また頑張ろうという気持ちになるので」
活動を通して伝えてきた思いは、確実に実を結び始めています。今では、全国80店舗以上の美容室が『スマイルカット』を実施するまでに広がりました。
大阪市東成区にある美容室『hair’s LEMONed』の奥山拓弥さんは、講習会で『スマイルカット』を知り、赤松さんの想いに共感した一人です。 (美容師・奥山拓弥さん) 「自分は子どもが好きなので、『子どもに寄り添うのは、できそうだな』という単純な理由です。わからないなりに、意思疎通ができている時があります。そういう時は、すごく嬉しいです」
赤松さんが『スマイルカット』を始めたきっかけの由日瑠くんは、成長して22歳になった今、赤松さんのもとを卒業し、他の美容室に通えるようになりました。
(赤松さん) 「子どもたちといつまでも繋がりを持てるのは、すごく嬉しいんですけど、僕は美容師をいつか引退する日が来るわけなので。でも、子どもたちは、ずっと髪の毛を切らないとダメじゃないですか。だから、いろんな所で、誰が担当しても切れるようになるというのが、理想なので…そこまでならないとダメかなと思っています」 赤松さんが思い描く未来―。それは、スマイルカットが当たり前になる世界。 (赤松さん) 「最終目標は、『スマイルカット』とかそんな言葉はいらなくて、この子たちの受け入れが、どこのお店でも当たり前になることです」