大河ドラマ「光る君へ」の楽しみ方 〝間違い探し〟をするよりも… 編集者・たらればさんの思い
「源氏物語」の作者・紫式部を主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」の放送から1カ月。平安時代の文学作品を深く愛する編集者・たらればさんに、その魅力と楽しみ方を聞きました。初回が衝撃的なシーンで終わり、「史実との違い」を指摘する声もありますが――?(withnews編集部・水野梓) 【画像】史実では〝最推し〟が凋落していく… 大河ドラマ「光る君へ」たらればさんの長文つぶやき
最推しの登場「情緒がもつのか…」
1000年の時を超えて読み継がれる『源氏物語』を書いた紫式部を、吉高由里子さんが演じる大河ドラマ「光る君へ」。藤原道長を柄本佑さんが演じ、脚本は大石静さんです。 制作発表時からSNSでファンとしての思いを発信してきた編集者のたらればさんは、「ドラマが始まるまでは、不安9割・期待1割でした」と振り返ります。 「源氏物語は原典が現存していませんし、解釈もさまざま。作者である紫式部の出自も諸説が林立しています。それを、誰の解釈、どの学説ベースでやるのか、それをマニアや研究者は受け入れられるのか、そもそも『合戦』がない、平安宮中の貴族たちのドロドロ政治&恋愛劇を現代の視聴者は楽しめるのか…。何から何まで不安で…どの立場で心配しているんだ、と言われたらその通りなんですが…(笑)」 しかし始まってからは、「あっという間の1カ月。毎週、毎週、心が上がったり下がったり、翻弄されまくっています。予想をはるかに超えるできばえですね」と評します。 「すごく面白いんですが、一番心配なのは、1年間、最終回までに自分の情緒がもつかどうかです。特に第6回の予告に清少納言(ファーストサマーウイカさん)が登場して、心が乱れています」と苦笑します。 『枕草子』を書いた清少納言を愛するたらればさん。 「このあと、千年前に死んだはずの〝最推し〟が大河ドラマに登場して、何千万人という視聴者が見ているなかで、史実としては凋落していってしまう…。織田信長や明智光秀が好きな人とかは、だいたい3年に1回くらいのペースでこのハラハラを味わっているんですよね。毎回どうやって本能寺を迎えているんでしょう、本当に聞いてみたいです」と話します。