杉咲花は“役を生きる” 『アンメット ある脳外科医の日記』に込められた作り手の“本気”
杉咲花は“ミヤビを演じている”というよりも“ミヤビを生きている”
杉咲は、ミヤビを演じているというよりも、ミヤビを生きている。正直、時間がたくさんあれば、できることなのかもしれない。しかし、杉咲はいま発表されているだけでも、主演映画の公開が3本も予定されているなど、多忙な役者のひとりだ。その忙しい日々のなか、ここまでの努力を重ねてきたこと。そもそも、やろうと決意するのだって、なかなかできることではない。しかも、手術シーンや日記の執筆は、スタッフ陣は吹き替えを検討していたにもかかわらず、自ら「やらせてください」と申し出ているのだ。 彼女の役づくりに関するエピソードを通して、“役に息を吹き込む”という言葉の本当の意味を教えてもらったような気がする。ミヤビのことを考え、ミヤビのために費やしてきた時間が、ゆっくりゆっくりと杉咲のなかに息づき、いまこうして形になっている。 杉咲の努力の結晶が詰まっている『アンメット』。確実に名作と呼ばれることになるであろうこのドラマを、リアルタイムで追えていることを幸せに思う。
菜本かな