「その年を象徴する何か」を持っているかで評価

今年の日本カー・オブ・ザ・イヤーにはプリウスが大賞として多くの審査員に選ばれた。今回のプリウスは今までの燃費重視な仕立てから大幅な路線変更を実施。見事に功を生した。

　これまでも「その年を象徴する何か」をいかに持っているかをもとに評価してきたが、その点で2023年もっとも印象深かったプリウスに10点を投じた。 【写真】新型プリウスのバッテリーはシート下に移設！ 　2023年もいろいろなクルマが出てきたなかで、10点の候補として、自分のなかでは他にも候補はなかったわけではないのだが、最終的にプリウスにしたのは、モデルチェンジの内容がとても画期的なものだったからだ。 　デザインと走りを際立たせた新型プリウスは、エコカーとしてはもちろん、1台のクルマとして非常に魅力的な存在に生まれ変わった。プリウスの在り方として、これ以上はないように思えた点で、ほかの候補をしのいでいた。デザインと走りでほかには新しいもの見せてくれたところが、素直によかったと思う。 　もし完成度をもっと重視して評価するとしたら、結果は違っていたところだが、筆者の場合は完成度を考慮に入れつつも、決め手とは考えていない。どちらかというとコンセプトや背景にあるストーリー性のほうを重視している。 　プリウスも完成度という点では、このスタイリングを実現するために視界や乗降性などが影響を受けていたり、走行時に多少エンジンが頻繁にかかって騒々しかったりと、気になる点もなくはないが、そのあたりは今後に期待することにしたい。 　結果的にはほかの多くの方々も支持したことでプリウスの圧勝となった。おそらく選ばれるだろうとは思っていたが、ここまで大差をつけるとは予想を超えていた。