地元のルーキーシリーズでデビュー初優勝を飾った中野希一

＜戸田ボート：ルーキーシリーズ＞◇最終日◇13日 　デビュー4年5カ月の中野希一（25＝埼玉）が、2周1M逆転で初優勝を決めた。コンマ13のトップスタートから先まくり。この上を前原大道に行かれたが、2周1Mで気迫のこもったツケマイで競り落とし、歓喜のVゴールを走り抜けた。2着は前原。19度目の優出でインから初優勝を狙った地元の松本純平は3着だった。 　「本当にうれしいです」。中野が地元で初Vの喜びをかみしめた。予選トップ通過を果たしながら準優10Rは2着。それでも秘策があった。優勝戦4枠が確定すると、すぐさま一撃仕様のペラ調整に取りかかった。 　「今回、4コースで優勝戦に乗ったら（島田）賢人さんのペラをやろうと思っていました」 　新エンジンに変わった今年8月、4コースからV奪取した島田賢人のゲージ。さらにチルトも0・5度に跳ねた。2周1Mも「差したら勝ち目がない。伸びに振ったら上を行くだけ」と強気に攻めた結果の初Vだ。「完璧な調整ができた」と、会心の調整と勝利に胸を張ると「賢人さんに報告したい」と、地元の先輩への感謝を口にした。 　レース後は、地元だけでなく、遠征勢も参加しての水神祭。「こうやって祝福してくれる仲間がたくさんいることも、ルーキーシリーズだと思います」と笑った。 　だが、余韻に浸る間もなく、15日が初日となる桐生の一般戦の追加配分を受けた。「もしかしたら初めてのA1級があるので」と中野。初Vを弾みに桐生、そして大村と、A1級への勝負駆けに挑む。