【24時間テレビ】「やす子マラソン」でわかった大規模チャリティ番組は″もう限界″
異例続きの『24時間テレビ』
「9月1日の夕方、目黒通り沿いの一角に人だかりができていたので覗(のぞ)くと、やす子さんが座り込んでマッサージを受けていました。声を掛けると笑顔で応えてくれましたが、その表情は見ていられないほどツラそうでしたね」(近隣住民) 【画像】なんとか気力を振り絞り 沿道からの激励に答える やす子の姿が…! ″異例続き″の『24時間テレビ』(日本テレビ系)が終了した。今年は放送前からその開催意義が問われる問題が続出。昨年11月には系列局の日本海テレビで募金の横領が発覚し、直前には大型台風10号の接近で企画の調整を余儀なくされた。 そんななか、注目を集めたのが芸人・やす子(26)によるチャリティーマラソンだ。冒頭のように苦しい時もあったが、時間内に完走。世帯平均視聴率は12.5%を記録し、募金額もマラソン募金だけで4億円以上と例年並みの数値となった。 この結果に、日テレ上層部内では安堵の声が上がっているという。しかし、業界内からの評価はけっして芳しくない。 「メインコンテンツであるマラソンは、当初『やす子がコースである日産スタジアム~両国国技館の間にある養護施設を巡り、現状を伝えてチャリティーを募(つの)る』予定だった。しかし、最終的には日産スタジアムを周回するだけ。『何がなんでもマラソンをやる』ことが目的で、チャリティーの呼びかけは二の次だった。台風の影響は事前に予想できたわけですから代替案も検討できたはずで、正直、企画力不足を露呈した印象です。本末転倒なマラソンにもかかわらず、やす子さんは最終的に80Kmを走りました。何度も休憩を挟み、テーピングまみれで走る姿は、感動というよりも痛々しく映りました。自分のタレントがこうなったらと考えると、ゾッとしますね」(芸能事務所関係者) ◆内外から批判が噴出 でも開催にこだわるワケ ″限界″を感じることは、他にもあった。 「今年はメインパーソナリティーを立てずに行われましたが、『立てられなかった』というのが正しい。横領問題の影響が尾を引き、どの事務所も『タレントイメージに傷がつく』として、大物をキャスティングできなかった。また、ジブリには番組内でのコラボ企画のオファーを出したそうですが、こちらもNGだった。それでも粘り強く交渉を重ねて、辛うじてTシャツのデザインを宮崎吾朗監督に受けてもらえたそうです」(同前) さらに、日テレ局内でも不満が高まっていた。中堅局員は「横領問題への世間や業界の反応を踏まえて、開催自体に懐疑的な局員が多かった」と言う。 「数ヵ月にわたり会議を重ね、現場の意見を何度も訴えましたが、上層部は頑として開催決定を曲げなかった。4月には制作局に決定の連絡が下りてきました。 かつては30分のコーナーを担当するだけでも準備やロケで5日間帰れないことがありました。今はコンプラ重視でマシにはなりましたが、それでも数日の徹夜は必須。ツラい思いをしてもウケないようでは、やりきれないですよ」 内外から批判が噴出している『24時間テレビ』。それでも、日テレの上層部が開催にこだわる理由は何なのか。 「まずは歴史です。今年で47回を数え、コロナでも震災でも継続してきたのに不祥事で終わらせることは絶対できない。 あとはやはりカネも大きい。日テレ系列など31社が参加し、総制作費は約4億円といわれています。しかし、CM収入は推定20億円だそうですから採算は立つ。そう簡単にやめられません」(同前) はたして来年はマラソンしてくれる人気タレントがいるのだろうか……。 『FRIDAY』2024年9月20日号より
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