井上尚弥が世界王座獲得から10年「4月6日は僕にとって誕生日のようなもの」…ネリ戦まであと1か月
◆プロボクシング ▽WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・井上尚弥―ルイス・ネリ(5月6日、東京ドーム) スーパーバンタム級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が6日、世界王座獲得から10年を迎えた。 21歳の誕生日を4日後に控えた2014年4月6日、東京・大田区総合体育館で、当時WBC世界ライトフライ級(48・9キロ以下)4位だった井上は、同級王者アドリアン・エルナンデス(メキシコ)に挑み、6回に右ストレートでダウンを奪って2分54秒TKO勝ち。国内最速記録となるプロ6戦目で世界王座を奪取した。井岡一翔(現WBA世界スーパーフライ級王者、志成)の持つ当時の日本記録(7戦目)を更新した。 同年12月にWBO世界スーパーフライ級(52・1キロ以下)王座を獲得。18年5月にはWBA世界バンタム級(53・5キロ以下)王座を手にして3階級制覇を決めた。19年11月のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ決勝では世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)に判定勝ちして優勝。米トップランク社と契約した。20年11月には米ラスベガス・デビューを果たし、22年12月にバンタム級で世界初の4団体王座統一を達成した。23年7月にスティーブン・フルトン(米国)を破ってWBC、WBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、日本人2人目の4階級制覇王者になると、同年12月、WBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)に勝って、2階級での4団体王座統一という偉業を成し遂げた。 元世界2階級制覇王者のWBC1位、WBO2位、WBA5位ルイス・ネリ(メキシコ)との東京ドーム決戦まであと1か月。10日には31歳の誕生日を迎える井上に聞いた。 ―4月6日で世界王座獲得から10年が経過します。 「4月6日は僕にとっての誕生日のようなもの。言われて10年なんだと気づきましたが、10年なんだ、という感慨はありますよ」 ―世界王者であり続けた10年間は? 「やるべきことを突っ走ってきたら10年経過しました。この10年間、特にプレッシャーも感じることもなかった。試合前ごとに感じるプレッシャーはあるけれど、チャンピオンであるべきプレッシャーというのは特になかった。追いかけられているような感じもなかった。強くありたいという気持ちがでかいのかなと思う」 ―この10年間で思い出す瞬間は。 「特にないけれど、一つ一つの試合に思い入れ、あの時、こうだったなとかはある。ただ、まだ振り返ることでもないかなと。まだまだ先があるので」 ―東京ドーム決戦まで1か月。 「今はすごく良い仕上がりです。ネリ選手が相手、東京ドームでやれること、それが自分の中でプラスに働いている」 ―今後の調整は? 「追い込みながら、一つ一つ確認しながら、ズレをなくしていくことが必要になる。体重調整も必要で、いろいろなことが入りまじっていく時期だから、自分としてもすごく楽しい時期になる。そのような感覚で1か月間過ごしていきたい」 ―チケットの売れ行きが良い。 「順調みたいですね。やるんだったら満員にしたいですよね。リングが少し遠くて見えなくても、雰囲気とか、すごいものがあると思うので」
報知新聞社