投票で社会に意見伝えて 三重・松阪市選管 鵲小6年生に出前授業
実際の選挙の道具で体験も
三重県松阪市笠松町の市立鵲小学校(小濵美由紀校長、93人)は14日午前10時半から、市選挙管理委員会(荒井正裕委員長)を招いて選挙の出前授業を行い、6年生21人は公職選挙で実際に使用される道具を使用した投票を体験し、選挙の仕組みや大切さなどを学んだ。 市選管が将来の有権者を対象として、投票意欲の向上と若年層の投票率向上などを目的として10年以上前から実施している。 市選管事務局の山本一貴主任(37)がまず、政治や選挙の仕組みについて説明。「投票率が低いということは、社会に一部の人だけの意見しか反映されないということ。意見は言わないと伝わらない。投票は政治に参加して意見を伝えること」などと児童に伝えた。 投票体験では「学校近くにできた広大な空き地の活用方法」を論点に▶商業施設▶託児所付き共同住宅▶防災公園――を主張する3人の候補者に対して模擬投票を体験。児童たちは、公職選挙と同じ材質の投票用紙に記載台で書き込み、投票箱に入れた。その後、開票作業も行い、商業施設を訴える候補者が9票で当選した。 山本主任は最後に、昨年9月の市長選の投票率は32.27%で、年齢層別では18~29歳は16.78%、60~69歳は42.35%だったと状況を説明。「この状況が続くと、高齢者向けの政策が優先されてしまう」とし、「政治が分からなくても投票することが大切です」と締めくくった。 開票係を務めた萩原侑那・児童会長は「選挙はそこまで難しくなかった。自分が選挙権を与えられたら、候補者をしっかりと選び、必ず投票に行きたい」と話した。 山本主任は「今日の経験が将来の〝投票〟という行動につながればうれしい」と話した。