梅が記録的な不作 暖冬、降ひょうなどで
最盛期6月も相場は品薄高
シーズン本番を迎えた梅が、極端な品薄となっている。収穫量の全国シェア約6割を占める和歌山県産をはじめ各産地で作柄不良となっており、5月下旬の7卸取引量は28日時点で平年の半分にとどまる。相場は平年を大きく上回り、最盛期の6月上旬も品薄高が続きそうだ。 和歌山県の梅は、暖冬による着果不良にひょう害が重なり不作となっている。JA和歌山県農によると、27日に販売開始した主力の「南高」は4月1日時点の計画で、市場出荷量が前年比29%減の3655トン。県内の収穫量は同51%減の2万4200トン。「ひょうで傷が付いた実が多い。秀品率は例年は7割程度を確保できているが、今年産は約2割にとどまる」見通しだ。 28日の梅の日農平均価格は1キロ827円と、平年(過去5年平均)比39%高。東京の青果卸は「小梅の入荷が前週で終了するなど、他の梅、和歌山以外の産地も不作傾向。絶対量が少ない」と話す。 京浜市場では、同県産「南高」が1ケース(10キロ・2L級・中値)1万2000~1万円。他の卸は「7000円くらいで始まる平年と比べ相当高い。最盛期の6月上旬も小幅下げにとどまる」とみる。
日本農業新聞