〈衆院選〉現役の農相も敗れる…鹿児島3区の小里氏「私の力不足」 今後の政治活動は明言せず
27日投開票の衆院選鹿児島3区で敗れた自民前職の農相小里泰弘さん(66)は、沈痛な面持ちで事務所に姿をみせた。農業従事者が多い選挙区で、農相の肩書を前面にアピールし組織戦を展開したが、有権者との距離は最後まで縮まらなかった。「ひとえに私の力不足」と謝罪。今後の政治活動や農相を続けるかについては明言しなかった。 【関連】野間健氏(鹿児島3区)が当選確実〈2024衆院選〉
午後8時、薩摩川内市の事務所に立憲民主前職の野間健さん(66)が当選確実との一報が入ると、支援者から落胆の声が漏れた。小里さんは「みなさんのおかげで農相に就けたのに任務を全うできなくなり、おわびしたい」と頭を下げた。 今後も農相を続けるかどうか報道陣に問われると、「今は、そのことに考えを及ぼすゆとりはない」と説明。これからの政治活動については「再起を期して頑張っていきたい。後援会とも相談したい」と述べた。比例復活の結果を待つことなく、事務所を後にした。 選挙戦では「農政は私のライフワーク」と述べるなど、農相としての働きに意欲をみせていた。地域活性化担当の首相補佐官として全国各地を視察した経験もPR。「食料安全保障を確立し、国民の食卓を守るのが使命」と訴えた。 県農民政治連盟を軸として、「農業が盛んな鹿児島で現役の農相を落とす訳にはいかない」(JA幹部)戦いだった。石破茂首相や自民幹事長の森山裕さんも応援に駆け付けたが、劣勢を覆せなかった。
3区の有権者からは地域回りに熱心な野間さんと比べて「顔が見えない」との声が根強かった。選挙戦では農相就任直後で実績がない上、公務のためフル稼働できなかった活動量の少なさも影響したとみられる。前回衆院選の前に週刊誌が取り上げた女性問題も尾を引いたままだった。 小里氏が去った後の事務所は閑散とした雰囲気に。陣営幹部の1人は「鹿児島のためにも何とか比例復活して、大臣の職務を続けてほしい」と期待した。
南日本新聞 | 鹿児島