映画『ラストマイル』の大ヒットの理由は、『SPEC』『君の名は。』との意外な共通点にあった…!
今後ほかの作品でも続々採用されていく可能性
このように以前から「シェアード・ユニバース」的手法の作品はいくつかありましたが、今年の『ラストマイル』のビジネス的成功を受けて、日本のエンタメ業界でさらに流行していくかもしれません。 内容はおもしろく、観てもらえれば高評価を獲得できそうな映画やドラマでも、主人公や初期設定があまりキャッチーではないと、話題にならないまま埋もれていってしまうケースが多々あります。けれど単体だと取っ掛かりの弱そうだった『ラストマイル』が、「シェアード・ユニバース」によって過去の人気ドラマファンを呼び込み、商業的に大成功をおさめたのです。 そして、新作の背中を押すだけでなく、世界観を共有した過去作の人気も再燃させる効果も期待でき、かかわるすべての作品がWin-Winになれることが『ラストマイル』で証明されました。 「シェアード・ユニバース」は、いやらしい見方をするなら費用対効果が非常に高い手法とも言えるでしょう。 過去の人気作のキャラをピンポイント投入するだけでもいいので、そのキャラを演じた俳優のスケジュールをおさえやすく、それでSNSやネットニュースで取り上げてもらえる機会が激増するならば、コスパは上々に違いありません。 メリットが多くコスパもいい「シェアード・ユニバース」は、『ラストマイル』の大ヒットを受けて、今後ほかの映画やドラマでも続々と採用されていく可能性が充分あるでしょう。
堺屋 大地(恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー)