Ｇ球場で調整し、戸郷（左）とタッチを交わす菅野（カメラ・中島　傑）

　巨人・菅野智之投手（３４）が９日、Ｇ球場で行われた投手練習に参加し、首位攻防３連戦の先陣を切る１０日・広島戦（マツダ）へ自信と覚悟を示した。約１年ぶりのカード頭での登板。「今年やってきたことをしっかり出せれば絶対勝てる」「頭に持ってきて良かったと思えるような結果を出したい」と意欲を口にする。マツダでは今季初登板だが、セ・リーグ記録を更新する開幕から敵地１０連勝かつリーグトップの１４勝目を手にし、首位の座をキープする。 　重要度が高い首位決戦へ、菅野は気を張りすぎることなくＧ球場で腕を振った。１０日から始まる１ゲーム差の２位・広島との３連戦（マツダ）。日本の舞台でも、世界の舞台でも多くの経験をしてきたプロ１２年目の投手陣最年長は、初戦の先発として前を向いて率直な思いを言葉に変えた。 　「この３連戦がどれだけ大事かみんな分かっているわけだし、考えすぎてもプラス材料になるとは思えない。かといって自然体で臨むのも違うと思う。自分の中で役割を理解し、頭を整理し、今年やってきたことをしっかり出せれば絶対勝てると思います」 　中８日での登板。５月下旬から「日曜の男」として働いていたが、ローテをずらしたのも広島戦のため。３連戦のカード頭は２３年８月８日阪神戦（東京Ｄ）以来１年ぶりだが、首位攻防戦で託されるのも信頼の証しだ。「意気に感じています。この数年間、そういう役割を担えなかった悔しさもある。信頼してくれた監督やピッチングコーチが頭に持ってきて良かったと思えるような結果を出したい」と期待に応える意欲は十分だ。 　今季１３勝２敗、防御率１・６６と無双している中、マツダのマウンドに上がるのは２２年７月２日以来。当時は７回無失点（勝敗はつかず）で、１４勝２敗で前回リーグＶに貢献した２０年も同球場２戦２勝、防御率０・８２と好数字を残してきた。チームにとって今季１勝４敗２分けの鬼門でも、開幕から敵地１０連勝が目前の男にとって心配は無用。「マツダで分が悪いからどうしようと考えている選手がいるならば、その選手に絶対いい結果は出るわけない」と言い切る。不要な出塁や進塁を許さず、隙を見せずに相手を封じる算段だ。 　残り２０試合を切る中での、壮絶な叩き合い。混セにも、強い気持ちで立ち向かっている。「この状況を楽しめる人はなかなかいないと思う。勝負事って苦しいし、しんどい。でも、それをはねのけた人が勝つわけだから。残り何年できるか分からないし、この状況をしっかりはねのけて、自分の財産にしたい」。１０日を終えると、中４日で１５日・中日戦（東京Ｄ）に向かう可能性も高い。フル回転を辞さずに終盤戦を戦う。 　グリフィン、戸郷と続く３連戦で３連勝を果たせば、最短で翌１３日のマジック点灯も見えてくる。「とにかく目の前の１試合を勝つことしかできないし、先のことを考えている余裕もない。頭を取れれば違うと思う。思い切っていきます」。“勝負根性”を見せる時が来る。（田中　哲） 　◆巨人最短１３日にマジック点灯　巨人は１０日からの広島戦に３連勝。１３日ヤクルト戦に勝利。広島が１３日の阪神戦に敗戦。また、ＤｅＮＡが１０～１３日の４試合に２敗以上すると、巨人に優勝へのマジックナンバー１２が点灯する。