中国人のアフリカ旅行熱が上昇中
【東方新報】中国からアフリカへの旅行者が増加傾向だ。特に、頻繁に海外を旅行するベテラン旅行者や、よりエキゾチックな体験を求める冒険心豊富な若者層が、アフリカ大陸に目を向けている。 豊富な観光資源を持つアフリカは、多くの経験豊富な中国人旅行者を惹きつけており、経済的に安定した中高年層の比率が多い。江蘇省(Jiangsu)南京市(Nanjing)に拠点を置くオンライン旅行代理店「途牛(Tuniu)」によると、35歳から50歳までの年齢層が旅行者の3分の1以上を占めている。 「途牛」の説明によれば、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以前、アフリカへの直行便の増便により移動時間が短縮され、60歳以上のシニア層を含む多様な旅行客のアフリカ訪問が伸びていた。パンデミック後、アフリカへの観光旅行が徐々に再開され、航空便の便数も回復基調にあり、現時点で中国とアフリカの都市を結ぶ直行便の輸送量は、パンデミック前に比べおよそ40~50パーセントまで回復している。 「途牛」のアフリカ観光事業担当ディレクターは「中国人旅行者は、安全性、ビザ取得の効率性、航空便の再開といった点にますます関心を持つようになりました。それらを満たすアフリカ旅行の個人や少人数向けのツアーの需要が急増しています。中国人旅行者は主にエジプト、モロッコ、チュニジアを訪れ、ケニアや南アフリカといった季節的な目的地も人気があります。タンザニアやナミビアは、幾つかのバラエティ番組やソーシャルメディアプラットフォームで特集され、注目が高まりました」と現情を説明する。 しかし、業界の専門家は「欧州の観光地に比べ、アフリカの観光地はサービス能力に格差がある。高級ホテルが少なく、価格も高い。率直に言ってアフリカの一般的なホテルは、まだ観光客の宿泊需要を満たすだけという現状だ」と指摘する。 「途牛」の話では、アフリカの観光の魅力は、都市部と比較した時のその素晴らしい自然、冒険性、素朴さにある。ただし旅行商品の予約の利便性と現地のインフラの改善がさらに必要で、アフリカ全体の道路インフラは相対的に遅れているという。例えばエジプトでは、観光客が現地でクルーズ旅行やレンタカー、ツアーガイドを予約するのにはかなりの不便があるという。 北京に拠点を置くオンライン旅行代理店「去哪児(Qunar)」は「この夏、中国からアフリカへの航空券の予約件数は昨年比120パーセント増加しました。エジプト、タンザニア、ケニア、モロッコ、南アフリカが最も人気の高い行き先です。アフリカ諸国の入国管理政策が緩和され、利用可能なフライトも増え、アフリカ旅行はますます便利になっています。アフリカには豊かな文化と自然の風景があります。古代の神秘的なエジプトのピラミッドやケニアの動物大移動、青と白の建物で知られるモロッコの街シャウエンなどは、中国人の間で人気が高まっています」と説明する。 アフリカ最大の航空会社であるエチオピア航空(Ethiopian Airline)は、中国からアフリカの主要都市への旅行需要の急速な伸びに注目している。現在、同社は首都アディスアベバと北京、上海、広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)、香港を結ぶ旅客便を週25便運航している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。