16年前土石流にのまれた温泉宿で鎮魂の祈り 母と兄亡くした男性経営者「この湯を守っていきたい」 宮城・栗原市
東北放送
岩手・宮城内陸地震の発生から14日で16年です。宮城県内で最も大きな被害を受けた栗原市の駒の湯温泉の慰霊碑前では、遺族や住民およそ30人が地震発生時刻の午前8時43分に黙とうを捧げ、犠牲者を悼みました。 【写真を見る】16年前土石流にのまれた温泉宿で鎮魂の祈り 母と兄亡くした男性経営者「この湯を守っていきたい」 宮城・栗原市 2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震では、栗原市で最大震度6強を観測し、17人が死亡、6人が行方不明のままとなっています。このうち、駒の湯温泉では温泉宿が土石流にのまれ従業員や宿泊客ら7人が犠牲となりました。駒の湯温泉を経営する菅原昭夫さんは母と兄を亡くしました。 母と兄を亡くした駒の湯温泉 菅原昭夫さん: 「私自身まさか被災者になるとは思ってもみなかった。ここで亡くなった7人の冥福を祈り胸に刻みます」 駒の湯温泉で母を亡くした菅原恵美さん: 「(母に)毎年会いたい気持ちが強いので今年も会いたいと思い黙とうした」 佐藤智栗原市長: 「防災、減災を強く私たちは意識しなければならない。この教訓をしっかりと次の世代に伝えなければならない」 駒の湯温泉の付近には露出した岩肌が残るなど、地震から16年が経った今もなお、大きな爪あとが残っています。 駒の湯温泉 菅原昭夫さん: 「湯の花が多い温泉なのですぐ(浴槽が)白くなってしまうので、基本的に毎日掃除をしている」 2015年に日帰り温泉として一度は復活した駒の湯温泉。しかし、2020年からは新型コロナウイルスの影響で再度休業を余儀なくされています。 駒の湯温泉 菅原昭夫さん: 「400年前の開湯と言われていて父も母もここで私を育ててくれたのでこのお湯が好き。このお湯を守っていきたい気持ちはある」 菅原さんは駒の湯温泉の今後について、常連客などを対象にした完全予約制の貸し切り温泉として営業を再開したいと話しています。
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