もっと知りたい北方領土(8)返還実現の場合、周辺漁業はどう変わる?
ただ、仮に2島引き渡しが決まったとしても、住民の国籍など解決しなければならない課題も多く、神長准教授は引き渡しが実現するまでに、大体10年はかかると考えています。漁業に関する協定も急に変わることはなく、完全に引き渡されるまでは現状維持の状態が続くではないかと予想します。 戦後71年がたち、色丹島を含む北方領土には、漁業や水産加工など、水産業を営む会社が存在します。神長准教授によると、サハリン南部を拠点とする水産会社が、色丹島や歯舞群島の付近でも活動しているとのことです。 色丹島と歯舞群島の先行返還が実現に向けて動き出した時、それまで2島周辺で漁を行ってきたこれらロシアの会社の扱いをどうすべきかなど、漁業に関する課題もいろいろと現れそうです。 (取材・文:具志堅浩二)