NATOと欧州、ウクライナへの平和維持部隊の派遣の是非を協議へ ゼレンスキー氏が見通し
【ロンドン=黒瀬悦成】北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は18日、ロシアに侵略されたウクライナへの軍事支援に関し同国のゼレンスキー大統領や欧州のNATO主要国の首脳らとブリュッセルで会合を開く。ゼレンスキー氏は17日、会合ではロシアと停戦してウクライナのNATO加盟が実現するまでの間に欧州諸国が平和維持部隊を派遣することの是非について話し合われる可能性があると語った。 英メディアによると会合には英仏独やポーランドなどの首脳が参加する。 ゼレンスキー氏は17日、ウクライナ西部リビウを訪問しているポーランドのトゥスク首相との共同記者会見で、会合では派兵問題に加え、ウクライナへの安全の保証やウクライナでの兵器生産への投資、長距離防衛能力など、ウクライナの軍事力を早急に強化させるための措置が議題となるとの見通しを示した。 トゥスク氏は、ウクライナのNATO加盟を実現させるため「あらゆる手を尽くす」と強調した。 欧州諸国によるウクライナへの派兵はマクロン仏大統領が2月に初めて提起した。ただ、トゥスク氏はこの日の記者会見でポーランドの派兵を否定するなど、現在までに欧州各国の足並みはそろっていない。 一方、ロイター通信によると、NATOは米欧などによる対ウクライナ軍事支援の調整機能を17日までに米国から引き継いだ。 調整機能の移管は、NATOに懐疑的なトランプ次期米大統領が来月就任するのをにらみ、ウクライナ支援が次期米政権に阻害されるのを防ぐ狙いがある。 ただ、トランプ氏が予告した通りに米国が支援を削減すれば、支援の規模自体が大幅に縮小し、移管の効果は限定的にとどまるとの見方も出ている。