「豚流行性下痢」豚肉高騰の影響は? 対応に苦慮する業者
豚肉高騰の影響は?
PED拡大の影響で、豚枝肉の卸価格が高騰しています。JA全農が提供する畜産総合情報サイト(JCネット)の国産枝肉(上物)卸売価格の推移を見てみると、3月には東京市場で1キログラムあたり499円だった価格が4月には581円、5月には604円と急上昇しています(大阪市場では3月541円、4月615円、5月618円)。2012年度以降で600円を超えたことはなく、PEDの影響であるといえるでしょう。 豚肉卸値は春以降に上昇する性質があり、これまでも1月を底値に上昇する傾向がありました。その上、今年は昨年の猛暑の影響で種付けが不調に終わっていたため、出荷に半年近くかかるため、春以降の出荷数は減少すると考えられていました。 とはいえ、現実に卸値が上がっている以上、影響は避けられません。出荷減による卸値上昇について、ある大手とんかつ専門店はこう言います。 「3月末に値上げを受け入れるように要請がありました。しかし4月から消費税が3%あがり、価格改定の直後だったので商品価格への転嫁はしていません。値上げ分は8月いっぱいまでの契約なので、9月以降どうするかはまだ決まっていませんが、現時点で長期で契約をすることは難しいですね」 4月には消費税が上がり、消費者の負担が増えたタイミングで、豚肉価格の上昇は家計のみならず、企業へのさらなる圧迫となります。現在は、消費者への影響は少ないですが、値上げ分を企業が吸収しきれなくなると、価格に反映されていきます。少しでも早い沈静化が望まれます。