無理なく「私立中」に通えるのは世帯年収いくらから?その「衝撃の金額」
子を中学受験させようとしたところ、想定以上に塾代などがかかりすぎて家計が逼迫してしまうというケースが増えているという。 【マンガ】夫の死後、5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からのお知らせ 東京23区においては児童の約5人に1人が中学受験をする時代。首都圏模試センターによると、2024年の私立・国立中学受験者数は5万2400名と前年度より200名減となったが、受験率は18.12%と過去最高を突破した。子の将来の学歴、環境を案じ、中学受験を検討する家庭はどんどん増えてきているようだ。 だが中学受験を志すとなると、早い家庭では小学3年生の頃から塾に通い始めることになるし、塾の通常講座の授業料はもちろんのこと、教材費や夏期講習などの集中講座代などもあり、支出が増えていく。見事合格したのが私立中学であれば、多額の学費が発生することにもなる。 中学受験では想定外の出費が発生しやすいため、常にプラスアルファの支出は頭に入れておいたほうがよいのかもしれないが、具体的にどんな支出を想定しておくべきなのか。 そこで今回は、ファイナンシャルプランナーで中学受験に関するライフプラン相談を数多く受けてきた前田菜緒氏に話を伺った(「」内は前田氏のコメント)。 記事前編は「中学受験をする子供が増えつづける一方で…塾代で家計が『破綻』する厳しい現実」から。
優先順位をつけて、不要な支出を減らす
子育て世帯に対する公的な支援も充実してきた昨今。たとえば児童手当は、2024年10月から所得制限が撤廃され、どの年収の家庭でも手当金が支給されるようになる。また都内では0歳から18歳までの子を対象に月5000円支給される「018サポート」もスタート。この2つの制度を活用すれば、子2人までなら3歳以降1人あたり月1万5000円が支給されるので、中学受験にかかる支出の補助となることだろう。 だが公的な支援をフル活用したとしても、中学受験を控える家庭では、やはり無駄な支出を極力減らしていくべきだと前田氏は語る。 「子どもは成長していきますから、食費や衣料費も年々上がっていくものですが、そういった基本的な生活費の向上が頭からすっぽり抜け落ちてしまっているというご家庭も少なくありません。また、子どもの学力によっても費用が増えることもあるというのは覚えておくべきポイント。志望している中学を狙える学力になるかどうか、そこまで伸びるかは学習を重ねていかなければわからないことも多く、今のままでは合格が難しいという場合には、追加で塾のコマ数や講習を増やすなどする必要も出てくるからです。しかし、今の教育費の増加が将来の教育費の貯蓄を減らしてしまうかもしれません。今後予想される教育費に優先順位を付け支出するのが賢明でしょう」