庄原市バイオマス訴訟、前市長に2億3800万円支払い命令 広島地裁
木質バイオマス事業頓挫に絡む住民訴訟での庄原市の敗訴に伴い、市が滝口季彦前市長に請求した損害賠償金約2億3800万円が未払いだとして、前市長に支払いを求めた訴訟の判決が2日、広島地裁であった。大浜寿美裁判長は前市長に全額の支払いを命じた。 判決などによると、住民訴訟の確定判決で滝口前市長の過失を認定し、市が前市長に損害賠償請求するよう命じたのは、同訴訟の補助参加人だった前市長にも効力があるとした。地裁判決を受けて市は「判決を踏まえ、適切に対応する」、前市長側は中国新聞の取材に「回答しない」とした。 同事業を巡っては、実施企業の破綻と不正を受け2014年、市が国に補助金の一部約2億3800万円を返還。住民訴訟では、最高裁が昨年5月に市の上告を不受理とした。市は前市長に損賠賠償額に遅延損害金を加えた計約3億4千万円を請求したが、期限内に支払いがなかったため同11月に提訴した。
中国新聞社