星野リゾート、福山市の仙酔島進出へ 市の事業応募、審査進む
景勝地として知られる広島県福山市鞆町の離島・仙酔島に、宿泊施設運営の星野リゾート(長野県軽井沢町)が進出を検討していることが12日、分かった。市が進める宿泊施設「国民宿舎仙酔島」の跡地活用事業に応募し、審査が進んでいるとみられる。進出が決まれば広島県内初となり、早ければ2026年度中に開業する見通し。 【写真】景勝地として知られる仙酔島(計3枚) 仙酔島は1934年に国内初の国立公園に指定された瀬戸内海国立公園内にある。60年開業の宿泊施設は老朽化のため21年に閉館。市は「鞆ならではの『歴史×自然』が体験できる島」をコンセプトに本年度、事業者を募集した。 市は、施設の解体後に50年未満の期間で貸し出す跡地約3千平方メートルに加え、隣接するキャンプ場や砂浜も含めた一体的な活用を期待。高付加価値を求める観光客や訪日外国人をターゲットに、宿泊や飲食の滞在型サービスや島特有のゆっくりとした時間を過ごせる場の提供などを想定する。 星野リゾートは全国各地に高級旅館などを展開し、国内外から人気を集める。市は同社の提案内容を高く評価しているとみられる。近く優先交渉権者を決め、基本協定を締結する見通し。 同社は、中国地方では松江市に高級旅館「界 玉造」を構えるほか、20年に長門市、22年に出雲市にそれぞれ「界」を開館した。25年には下関市でリゾートホテル「リゾナーレ」の開業を目指しており、積極展開が目立っている。 同社は中国新聞の取材に「回答を控える」としている。
中国新聞社