野球人気低迷に“カツ” 高校球児やOBが長野で「野球の日」イベント
子どもたちの野球人口の減少に危機感を持った長野市などの野球指導者らが、初の「北信野球の日」イベントを市内で開きました。長野県では小中学生を中心に野球人口が減少し、競技人口が微増か減少していないサッカーや卓球などと対照的。高校野球の経験者がOB連盟を発足させて側面から野球人気の復活に取り組むなど、懸命の動きが広がっています。
「野球を体験する機会を設けよう」
11月26日、長野オリンピックスタジアム(長野市)には、小学生や未就学児、家族、中高校生らと運営スタッフら3000人以上が集まり、キャッチボールやバッティング、ストラックアウトなどを楽しみました。 「北信野球の日」は、長野県北部の北信地方の小中高校の野球指導者ら250人が参加して今年2月に開いた「第1回北信ベースボールサミット」で、「野球を未経験の子供たちにも野球を体験する機会を設けよう」との狙いで実施を決めました。
これに先立ち、1月には全県のサミットも松本市で開き、野球関係者600人が集まるなど、野球の復活へ向けた動きは全県に広がっていました。 主催した北信ベースボールサミット実行委員会によると、長野市を含む北信地方の小学生の現在の野球人口は7年前の約半数に激減。また、長野県の青少年野球の加盟団体のうち小中学生の登録者は2010年の1万5600人余が2016年には1万1100人余へと4500人、30%近くも減少しており、野球人気の低迷は明らかだとされています。 この背景について、関係者は少子化やサッカーなど他のスポーツの活況のほか、指導方法がチームそれぞれで独自性があったり、野球関係の団体の発足の経過が異なるなど複雑な事情もあると見ています。
来年の「マスターズ甲子園」参加へ
こうした実情に高校野球の経験者たちも今年6月、「長野県高校野球OB連盟」を発足させ、「まず自分たちが率先して野球を楽しむ姿を子供たちに見せたい」と2018年度のマスターズ甲子園大会(来年11月開催予定)への参加の方針を決定。県内の高校25校のOBがこれまでに連盟への加盟を表明し、来年3月から8月の間に開く長野大会には今のところ22校が参加予定です。 OB連盟の坂田吉久事務局長(長野市)は、「野球人気の復活に向けてOB連盟も含め関係者が一体となって取り組んでいくことになると思う」と期待しています。
----------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者・編集者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説