多くのゴルファーの永遠の “憧れ” 。なぜトム・ワトソンは長きにわたって第一線で活躍できたのか ?【“新帝王”の60歳を振り返る #1】
なぜ、ワトソンはこんなにも長きにわたって第一線で活躍できるのだろうか ?
結論から先にいうと、やはりスウィングそのものが60歳の今になっても錆びていない、いや進化しつづけているからだろう。そうとしか考えられないではないか。全英には当然20代、30代の若手プロも出場している。彼らは300ヤード台のドライブをするが、結果としてワトソンはそのドライブにも対抗できているのである。またアプローチ、パットなどの小技も加齢につれて、普通は錆びてくるはずである。ターンベリーでも土壇場で、その錆びが一瞬露出した感があっても、なにしろ59歳にして6度目の全英を手中にしかけたのである。 この進化し続けるスウィング(小技も含めて)を様々な角度から分析してみようではないか。そこにはいくつになっても引退しないでもいい我々アマチュアゴルファーに参考になるエキスが必ずやあるはずである。 そしてそれを語るには、やはりワトソン自身のキャラクターを知らねばなるまい。そこにはひとつの道を追い続ける姿があった。
ゴルフダイジェスト特別編集委員/古川正則