【解説】患者急増で小児科ひっ迫 感染症の猛威…「RSウイルス」「ヘルパンギーナ」 カギは“免疫アップ”
■原因は… コロナ禍経て感染症への免疫を持たない子供が増加
そもそもなぜ、2つの感染症が流行しているのでしょうか。小児科医に聞きました。 東京小児科医会理事・クリニックばんびぃに 時田章史院長は「コロナ禍の感染対策によって風邪などにかからず、感染症への免疫を持っていない子供が増えている。もうしばらくはこの状況が続くのではないか」と話していました。 では、感染症の夏を乗り切るには、どうすればよいでしょうか。
■感染対策は新型コロナと同じ 質の高い睡眠や腹式呼吸で免疫力アップ
RSウイルスもヘルパンギーナも飛まつ・接触で感染するので、症状がみられる場合は“マスクをつける”、“石けんで十分に手を洗う”、そして“換気をする”。これは、コロナウイルスへの対策と一緒です。 一方で、免疫力を高める方法はないのでしょうか。体の免疫機能などを研究している、ハーバード大学医学部客員教授で医師の根来秀行先生に話を聞きました。
免疫機能を回復するには、副交感神経がポイントです。呼吸の維持など体の機能を働かせる「自律神経」には、活動する時に働く「交感神経」とリラックスした時に働く「副交感神経」があります。「副交感神経」が優位になると、全身に血液が流れやすくなり、体の隅々まで免疫細胞が届けられやすくなり、免疫力アップにつながるといいます。 副交感神経が働きやすい睡眠を質の高いものにするためには、次のような生活習慣は見直す必要があります。
◇朝食を抜くなど3食をとらない ◇夜更かしをして土日遅くまで寝ている ◇寝る直前までスマホを見ている ◇運動不足 運動不足の対策として根来先生は、“1日1万歩”歩くことや、血流をよくする有酸素運動が大事になってくると話していました。現代人のストレスの多い生活習慣を改めることが、質の高い睡眠につながり、風邪をひきにくくするそうです。さらに副交感神経を働かせるためには「腹式呼吸」をすることも効果的だそうです。 ■夜間や休日は「#8000」でアドバイスを… まずは感染しないことが大事ですが、夜間や休日に子供の体調が悪化した時、特に親は不安になるものです。そんな時は「こども医療でんわ相談 #8000」に電話すると、小児科医や看護師から、対処の仕方やアドバイスをもらうことができます。ぜひ活用してみてください。 (2023年7月7日午後4時半ごろ放送 news every. 「知りたいッ!」より)