「え、けっこう強いかも」『SLAM DUNK』3年生引退後の“湘北の未来”は明るいか考察してみた
■流川の渡米は? 桜木の大ケガは?
主力である流川と桜木の2人はどうなったのだろうか。 流川はもともと渡米意識が強い選手だ。しかし流川は3年生引退後も湘北に残っているのではないかと、個人的には考える。 安西先生にアメリカ行きを切り出した流川は「君は日本一の高校生になりなさい」と諭され、チームに残ることを決意。その後の豊玉戦で流川は、マッチアップした南に「日本一の選手ってどんな選手だと思う…きっとチームを日本一に導く選手だと思うんだよな」と語っている。このことからも、流川自身「日本一の高校生=湘北全国制覇」を渡米の条件にしているように思うからだ。目標が明確化した流川は、さらに進化しそうである。 一方の桜木は、山王戦で選手生命にかかわるほどの大ケガを負ってしまった。原作最終回、そして『あれから10日後のストーリー』でもリハビリ中だった桜木。桜木は復活できたのだろうか。 実は、復帰後の桜木を思わせるような姿がある。それは90年代に放送された資生堂『Aleph』と本作のコラボCMだ。 そこには少し髪の伸びた桜木がおり、同じく登場した流川のバッシュがエアジョーダン5からエアジョーダン12に、宮城の7だった背番号が4になっていることからも、復帰後の桜木の姿を示唆するCMだった。そのCMで桜木は背中のケガを感じさせない豪快なダンクを決めていた。 これはあくまでコラボCMの内容であり、正式な桜木の姿ではないかもしれない。しかし桜木のことだ、このCMの姿のようにケガを克服し、今まで以上に活躍することは想像に難くない。
■最終的には抜けた赤木、三井の穴をどう埋めるか
宮城、そして流川と桜木は問題なさそうだ。しかし正直、赤木と三井の抜けた穴は大きい。とくに、湘北はインサイドプレイヤーが非常に手薄だ。優れた才能があったからとはいえ、未経験の1年生桜木がスタメンに抜擢されたことが、それを物語っている。 現戦力で言うと、角田に頑張ってもらいたいところだ。控えメンバーではもっとも高身長の180cm。翔陽戦で退場した桜木の代わりに入り、2点のリードを守り切る活躍を見せている。 その後、角田は山王戦にも出場したが、桜木の鼻血を止めている僅かな時間であり、その間、野辺将広には手も足も出なかった。彼にはかなりレベルアップしてもらわなければならないだろう。 残るスタメン1枠だが、ポジションと実績を考えれば潮崎だろうか。彼は陵南との練習試合、そして三浦台戦でスタメン出場したが、その後、角田以上に出場機会がなくなってしまった選手だ。彼の奮起にも期待したい。 また即戦力となる新1年生加入の期待値はどうだろうか。湘北は、インターハイの舞台で絶対王者・山王工業を倒したことで知名度はかなり上がっているはずだ。「湘北でバスケがしたい」という新入部員も増えるのではないだろうか。 そもそも湘北は安西先生の知名度で、以前から三井、宮城のように有力選手が入ってきている。(流川は家が近かったからだが……)さらに名を馳せた湘北は、即戦力となるような全国レベルの新入部員が入ってきてもおかしくないだろう。 とはいえ、例年以上に期待できるとしても、新1年生はまったくの未知数だ。まずは角田と潮崎、さらには安田など、ほかの部員の成長を望みたい。 今回は『SLAM DUNK』3年生引退後の「湘北の未来」を考察してきた。正直、赤木や三井の抜けた穴は大きいが、それはほかの高校も同じだ。 海南は牧、陵南は魚住純、翔陽は藤真に花形透をはじめとしたスタメン全員、山王に至っては唯一2年でスタメンだった沢北栄治が渡米したため、スタメンが総入れ替えすることとなる。 一方の湘北は宮城、流川、桜木と全国を経験した有力選手が3人も残っており、実はアドバンテージを持っている側だと言ってもいい。その3人中心に湘北は神奈川県予選を突破、全国大会で大暴れしている可能性は大いにあるのではないだろうか。
海狸こう平