「布団の上に…トコジラミ?」この虫の正体は? 専門家に聞いてみると…別の厄介者「カツオブシムシ」
「布団の上にトコジラミのような虫を発見しました」視聴者からこんな情報が番組スタッフに寄せられました。 その映像を専門家に見てもらうと…この時期になると出てくる「厄介者」であることが判明しました。 【写真を見る】「布団の上に…トコジラミ?」この虫の正体は? 専門家に聞いてみると…別の厄介者「カツオブシムシ」 こちらが番組に届いた映像。布団の上には黒っぽい小さな虫が歩いています。 よく見てみると、その体は、黒、白などのまだら模様をしています。 撮影者によると、虫の大きさは直径3~4ミリほどで、布団の上を歩いていたということです。 撮影者 「話題のトコジラミかと思ってかなりビックリしました。少し違うような気もするのですが…本当にトコジラミではないのでしょうか」 トコジラミと言えば、カメムシの仲間で、別名ナンキンムシとも呼ばれ、体長は5ミリほどの害虫です。 日中は寝具や家具、カーテンレールの隙間などに潜んでいますが、夜行性のため、夜になると活動し、寝ている人の血を吸います。 刺されると患部が赤く腫れ、激しいかゆみを伴い、国内外で被害が拡大しています。 動画を見ると、この虫は体長5ミリ弱で寝具の上を移動しています。 専門家にこの動画を確認してもらいました。 鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員 「これは『カツオブシムシ』の一種かと思います。ヒメマルカツオブシムシという種の可能性が高いですが、動画では種の特定までできませんでした」 正体は、トコジラミではなく「カツオブシムシ」と呼ばれる虫。 動画ではトコジラミではない決定的なシーンが確認できたと言います。 鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員 「動画の最後に飛ぼうとするシーンがありますが、トコジラミは羽がなくて飛べませんので、トコジラミでないことは確実です」 カツオブシムシは、暖かくなってきたこの時期に、全国でよくみられる厄介者だといいます。 鳥取県立博物館 鶴智之 学芸員 「カツオブシムシの仲間は人体に害を及ぼすことはありませんが、衣類(ウールなど)や乾物(カツオブシなど)の害虫として有名です。動画に写っているのは親の成虫で、親は食害しませんが、衣類や乾物に卵を産み付け、ふ化した幼虫が食べて衣服などに穴をあける被害が起きます」
肉眼では見えないほど小さな卵を衣類などに産み付け、卵は約2週間かけてふ化、ふ化した幼虫は周りのエサを食べながら約1年かけてゆっくりと成長するのだといいます。 博物館にとっても、昆虫標本から文化財まで食べてしまう厄介者の「カツオブシムシ」。部屋の網戸を閉める、防虫剤を入れて衣類を管理するなどの対策が重要だということです。
山陰放送