【オーストラリア】〔政治スポットライト〕豪中首脳会談実施へ、NZはインドと
オーストラリアのアルバニージー首相は、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に参加するため、9~11日の日程でラオスを訪問している。同氏はこれに合わせて10日に、中国の李強(り・きょう)首相と2カ国協議を行い、安全保障と貿易問題を議題に挙げた。オーストラリア各紙が報じた。 李首相との2カ国協議は5回目となる。アルバニージー首相は、安全保障に関して南シナ海における中国の振る舞いに対する懸念を表明したほか、貿易面では中国が課していたオーストラリア産ロブスターの輸入規制を撤廃することで合意した。同氏は会談後、国益を損なわず、生産的で重要な協議ができたとして関係の進展を評価した。 会談前には、冷戦時の米国とソビエト連邦の関係を引き合いに「意見の相違があっても、常に対話の窓口が開かれていることが重要だ」とし、中国と「建設的かつ慎重に」継続的な協議を行うとしていた。 他国との協議でも活発化する中国の南シナ海での侵略行為に焦点が当たるとみられるが、中国共産党機関紙の国際版、環球時報(グローバル・タイムズ)は、ASEAN首脳らに対し、首脳会議の場で中国の勢力拡大を狙った行動について言及しないよう警告している。 アルバニージー首相と石破茂首相はきょう2カ国協議を行う。 ■NZ首相、印とのFTA狙い ニュージーランド(NZ)のラクソン首相もラオスを訪問中で、インドのモディ首相と初となる2カ国協議を行う。NZは急速に発展するインドとの自由貿易協定(FTA)の締結を狙っている。ほかに、カンボジア、ベトナム、ラオスとの2カ国協議、オーストラリアとカナダとの3カ国協議を予定している。