この声どこから? 空き家に迷い込んだネコ 出動できない消防 どうする? 集まった住人は連携し…
愛媛県松山市内の空き家に、迷い込んだネコが閉じ込められました。現場には近所の住人が集まるなど、一時騒然となりました。
数年前まで人が住んでいたが…
迷い込んだネコが閉じ込められたのは、愛媛県松山市内の民家です。 付近の住民によると、この家には数年前まで高齢の女性が住んでいたということですが、現在は空き家に。管理のために親族が時々訪れる程度です。 近所に響き渡るネコの鳴き声。 それに気付いた付近の住人が、次々に集まって来ました。 (近所の住人) 「イライラしてるのかな? おなかが空いてるんだろうなぁ」 ネコは、一体どこから入り込んだのか、家の1階の屋根裏部分に閉じ込められているよう。 板の向こう側から、絶え間なく鳴き続けるネコ。 しかしどうすることもできません。
動いてくれない消防 どうすれば
しびれを切らして、住人の1人が消防に通報。 しかし消防の担当者は、 「それであなたは何が困っているのか」 「法律の関係で、消防が勝手に家を壊したりはできない」と話し、 ネコの救出のための出動はできないと回答しました。 衰弱を心配してでしょうか、板のすき間からエサを差し入れようとする人も。 (近所の住人) 「あ、いるいる、食べてる」
所有者と連絡がついた
と、その時。 集まって来た近所の住人の中に、この家の所有者の連絡先を知っていると話す男性が現れました。 およそ30分後。 男性からの電話を受けた家の所有者が到着しました。 所有者は、ネコの鳴き声をたよりに、家の中からも助け出せそうな場所を探しますが…。 屋根裏に繋がっている場所は見つかりません。
許可を得て 屋根裏の板外し“救助”
(家の所有者) 「(迷い込んだネコは)ちょっと黒っぽい濃いグレーの子のよう」 最終的に、家の所有者の許可を得た近所の男性が、工具を使って屋根裏の板を外し…。 発見からおよそ2時間、ネコは無事に助け出されました。 外された屋根裏の板は、ネコが再び入り込まないよう、すぐ元に戻されました。 そして。
住民の連携プレーで事なき得たが…
(家の所有者) 「横はふさがっていたんだけど、ここは空いていたみたいで」 ネコが入り込んだとみられるすき間も、きっちりとふさがれました。 街中の「空き家」で起こった騒動。 住民の連携がうまくいったことで、事なきを得ましたが…。
増え続ける「空き家」
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」などによりますと、2023年の時点で、愛媛県内の空き家の数は、5年前の調査と比べて、およそ1万6000戸増加し、14万5700戸となりました。 国は、不要になった家を中古住宅として活用できるように、リフォームへの支援や、譲渡相続にかかる税制優遇などの制度を設け、空き家が発生しないための対策を講じています。 また県なども、「除却」に対する費用補助のほか、移住支援に合わせる形で「空き家バンク」の運用を行っていますが、空き家の増加を抑えるまでに至っていないのが現状です。